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プールの塩素が髪や肌に与える影響って?

プールの塩素が髪や肌に与える影響って?

子どもの頃、「夏のプールの授業」を楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか。長じてからはレジャー目的で行くことが多い「プール」は、私たちをよく楽しませてくれます。

ただこのプールのなかに含まれている大切な「塩素」が、時に私たちの髪の毛や肌に影響を与えることも事実です。それについて考えていきましょう。

そもそもどうして塩素が入っているの? 塩素っていったい何?

プールの塩素

私たちは、当たり前のように、「プールには塩素が入っている」と認識しています。しかしこの「塩素」がどんなものなのかをはっきりとは知らない、という人もいるのではないでしょうか。

塩素は、原子番号17が割り振られており、「Cl」という記号が使われています。これは実は気体であり、ほかの元素と結びつくことで、「塩化物」というものを作り出します。

実はこの塩素は非常に強力な物質です。かつて作られた、「もっともはじめの化学兵器」は、この塩素を使った毒ガスであったと伝えられています。1915年に利用されたこの毒ガスは、第一次世界大戦のときに利用されました。

しかし塩素は強烈な毒であるとともに、強力な「人助けの道具」でもあります。これは医薬品に使われるなど、さまざまな場面で、人間を助けても来ました。

プールにおいて使われるとき、塩素は、その強力な消毒効果によって水質を守っています。プールはそのままにしておくと、細菌などを生じさせ、入った人の健康を害してしまいます。塩素は、このような細菌やウイルスから人間の健康を守るために役立っているのです。

この「塩素」ですが、これは「カルキ」とも呼ばれています。このような強い消毒効果から、「塩素はプールにたくさん入っているものなのだ」と思われてしまいがちです。

しかしたとえば中野区のデータによると、プールに含まれている塩素の量というのは、私たちが当たり前のように利用している、飲み水である「水道水」とほとんど変わらないと言われています。

「プールの塩素によってかぶれる」「害がある」と考える人もいますが、「塩素がとけたプールは、どんな人にも危険である」とまで言えないのはこのためです。

たしかにデメリットはあるものの、塩素を使わないでプールを運用することのデメリットの方が大きいため、いろいろなところでこの「塩素」が使われています。

塩素のもたらす害について

傷んだ髪

上でも述べたように、「塩素そのものが、人間の髪の毛や肌を著しく傷つける」という見方は、現在ではそれほど正しくありません。現在は塩素の管理もしっかりしており、いたずらに塩素をたくさん投入することもありません。

ただまれに塩素が多く含まれているプールがあったり、管理がずさんであったり、そもそも肌や髪の毛が弱い人であったりすると、塩素の影響を受けて肌や髪の毛にダメージを与えることがあります。

目が非常にかゆくなってしまったり、肌が少し傷んだり、髪の毛が荒れてしまったり……などが考えられます。ちなみに「塩素の入っているプールに日常的につかり、長い時間をそこで過ごす」と、髪の毛の色が抜け、茶色くなってしまうこともあります。私の同級生で、毎日プールに通っていて休みなく数時間の練習をしていた、という子は、やはり髪の毛が茶色かったものです。

塩素対策にはどのようなことをすればよい?

シャワーを浴びる女性

プールに含まれている塩素が、髪の毛や肌に重大な悪影響を及ぼすことはあまり考えられません。ただ肌や髪の毛を守るために、この「塩素」への対策を講じることは有用です。

そのやり方はごく簡単で、「プールから上がった後に、シャワーを浴びる」というもの。こうするだけで、塩素のもたらす健康被害を押さえられると言われています。ゴーグルをしている人でも、目をしっかり洗うのもお忘れなく。どこのプールでも、「つかる前とあがった後はシャワーをあびましょう」としていますが、これにはキチンとした理由があるのです。

またプールに入っているときに、目や肌にとくに強い刺激を感じたのであれば、シャワーの時間も長めにとるとよいでしょう。

もちろん、「それでも目のかゆみがおさまらない」「しばらくしても肌のチクチクした感触が抜けない」などがあれば、念のために病院に受診することをお勧めします。

おわりに

私はアレルギー性結膜炎持ちで、プールの授業のときは、「とにかくしっかりとシャワーを浴びろ、目をしつこいくらいに洗え!」と母に言われたものです。誰よりも長く目を洗わなければいけなかったため、結構憂鬱(ゆううつ)だったことを覚えています。

ただ塩素はもともと「消毒液」として使われているものです。塩素の害を声高に訴える人もいますが、プールに使われている程度の塩素ならば、それほど神経質になりすぎる必要はないでしょう。後のお手入れを徹底しておけば、あまり怖がりすぎる必要はありません。

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