天然水を使ったレシピ~スープ編~
「スープに天然水を使うのはよいか悪いか」についての答えは、「煮物」のところで見たものと近いと言えるでしょう。スープもまた水をベースとした料理であり、その作り方は煮物と似ているものもあります。
この考えを基本として、スープに合う天然水について考えていきましょう。どんな水はどんな天然水にあるのでしょうか?
日本のダシを使ったものは、やはり軟水が好まれる
「スープ」と一口に言っても、そのバリエーションはさまざまです。日本人にとってもっともなじみ深いスープである「みそ汁」も、具だくさんで知られるロシアの郷土料理「ボルシチ」なども、スープの一種に分類されています。
ただこのふたつは、外見も調味料も考え方も何もかも違います。そのため「スープ」というひとくくりで、相性のよい天然水を考えるのは少し乱暴なことだと言えるでしょう。
ただその考え方の基本は、「煮物」とよく似ています。
日本食であり、野菜をよく使うみそ汁には、やはり軟水が合うと言われています。とくにみそ汁のダシのなかでも代表的な「昆布」は、軟水で出すことによって、そのうま味がよく染み出ます。
反対に硬水を使ってとってしまうと、ミネラル分が表面に張り付いてしまい、うまくうま味がでてきません。それだけでなく、このミネラル分(主にカルシウム)が昆布のなかに含まれている成分と結びつくことによって、アクが生じてダシが汚れたような外見になってしまいます。
反対にお肉などを使って作り出す外国のスープについては、硬水がよいと言われています。とくに牛肉を使って作るスープの場合は、硬水が適しています。硬水が肉に含まれる血なまぐささを排除してくれるからです。軟水で作ってしまうと、アクとなって出てくるべき臭みなどが「濁り」として残ってしまいがちです。
一緒に野菜を煮込むという場合、野菜の味自体はよくなるのですが、メインの食材である肉に悪影響を及ぼしてしまうわけですから、あまりよくはないでしょう。
このように同じ「スープ」と言っても、どんな食材で作るかによってどんな水を作るかが変わってきます。煮物も水が大切ですが、スープの場合「水が主役」の料理でもあるので、とくに気を使いたいものです。
本当にきちんとできている?基本のみそ汁の作り方を学ぼう
現在は小学校の授業などでも、必ずと言ってよいほど、「みそ汁の作り方」を家庭科の授業で習うのではないでしょうか。
ただ「正しい作り方」を問われると、答えに窮するという人もいるかもしれません。
そこでここでは、あえてみそ汁の基本的な作り方を勉強していきます。
1.ダシをとります。
ダシをとるときは、水1リットルに対して、10センチ角の昆布を入れます。昆布でダシをとる場合は、沸騰前に昆布を出します。市販のダシを使うときは、そのダシの裏面などに書かれている「ダシのとり方の手順」に従ってください。
2.食材を切ります。
定番の食材は、豆腐やワカメ、ネギなどでしょうか。食べやすい大きさにあらかじめ切っておきます。
3.食材を煮ます。
ダシは300~330ミリリットル程度使います。鍋にダシを入れて食材に火を通します。火の通りにくい食材から入れていくのがポイントです。
4.みそを入れます
みそを入れた後は決して沸騰をさせてはいけません。みそはそのまま鍋に落とすのではなく、おたま(みそこしがあればなおよいでしょう)に入れて菜箸で溶かしていきます。こうすることで味が均等になりますし、みそが溶け残りません。
みそ汁はとくに「ダシ」が大切になる料理です。ダシの取り方をしっかり学んで、正しい手順で取りましょう。またみそを入れた後に沸騰させてしまうと香りがとんでしまいますし、豆腐にスが入ってしまう可能性もあるのでお気を付けください。
私たち日本人にとって、もっともなじみ深いスープである「みそ汁」。基本の料理だからこそ、おいしく作れるようになりたいものです。
おわりに
一口に「スープ」といっても、「どんな具材を入れるか」で使うべき水が変わってくるのは驚きですね。基本は煮物のときと同じですが、水が主体となることで、煮物以上に水の重要度は高くなるかもしれません。
「みそ汁なんてだれでも作れる」と思ってしまいがちですが、どんな料理でも、基本が一番大切です。ダシの取り方からみそのとき方、具材を入れるタイミングを学び、さらに水にこだわって、「最高のみそ汁」を作ってみるのもよいのではないでしょうか。いつもと同じ材料なのにいつもとは違う味、というのは、なかなか新鮮なものです。