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がんを予防する水の飲み方がある【藤田紘一郎先生の水で健やかVOL.20】

がんを予防する水の飲み方がある【藤田紘一郎先生の水で健やかVOL.20】

現在、がんで亡くなる人は年間に30万人を超えています。また、数字だけのことを言うと、その数は年々増える傾向にあります。亡くなる人以外でもがんと現在、闘っている人の数は、日本中で数十万人の規模に達すると思われます。

がんにはいろいろな原因が指摘されています。中には「がん家系」が存在していることを信じ、親兄弟にがんの人がいる人はがんになりやすいと思い込んでいる人がいますが、これは間違いです。寿命や病気のほとんどは先天的なものではなく、生活習慣や生活環境などの後天的要素によって決まります。

確かに、一部の病気には家族性が関係するものがありますが、がんの原因は後天的な要素が大きく、それゆえに厚生労働省も「生活習慣病」と認定しているのです。

海外での経験から、見なおした生活習慣

コップの水

生活習慣が原因だというと、私にも苦い経験があります。昔の私は血糖値が常に高く、友人である内科医の判断でインスリン治療をすすめられていました。この時の風貌と言えば、赤ら顔で髪の毛は薄く、おなかも突き出ていて、お世辞にもカッコいいとは言えないものでした。

その頃は医学部大学院の現役教授、教室員もたくさんいて、水や免疫の研究、現地人の健康調査など幅広い分野の研究を盛んに行い、1年の3分の1ほどを海外、特に発展途上国で過ごしていました。慣れない土地での生活と仕事の忙しさで、体にストレスがかかっていました。

人の健康管理をしていながら、体に良い水を探し、その研究をしていながら、自分の血糖値や中性脂肪の値は上昇し続けていたのです。

また、楽しみと言えば仕事が終わった後の食事です。今考えると、質の悪いものを、しかも恐ろしいほどの量を、1日のイライラをぶつけるようにして毎晩食べていました。

そのような生活をしていると、糖尿病になったばかりか、痛風やメニエール病の発作がたびたび起こり、がんの傾向を示す腫瘍マーカーも高い値になってきました。さすがに「このままでは命がアブナイ」と思い、さまざまな健康法をきちんと実施したのです。

それは糖質制限と体に良い水を飲み続けることです。幸いにも私は今、誰にも恥じることなく健康を自慢することができるようになりました。生活習慣の見直し、そして体に良い水を飲むことががんをはじめとする、いろいろな病気を予防することにつながっているのです。

がん予防には硬度120mg/L以上のアルカリ性の水

アルカリ性の水

しかし、もちろん生活習慣だけががんの原因ではありません。毎回、敵のように登場する活性酸素の存在は、人の体にとって増えると本当に怖い存在として知られるようになりました。この体内で発生してしまった活性酸素を消す役目の一つが水なのです。

ご存じのように一般成人の体は60%を水が占めています。水は体の最大の抗生物質であり、どんな水を体に入れ替えてあげるかによって健康が左右されるのは自然なことです。

一言で「水」と言っても、その健康効果はミネラルのタイプと含有量、水素イオン濃度指数(PH)などによって変わってきます。そして、活性酸素の害を取り除く水もあり、毎日飲んでおけばがん対策に期待できるのです。

体に良い水は第一にアルカリ性であることです。人の体液は大体PH7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれています。疲れて免疫力が落ちてくると酸性に傾いてくるので、PH7.5以上のアルカリ性の水を体に常時入れてあげることが大事です。

アルカリ性の水が良い理由はもう一つあります。酸化した細胞を元に戻す還元力が高いのです。普段から飲んでおくと、がん細胞の発生数を減らします。

第二にカルシウムとマグネシウムを適度に含むことです。天然水に含まれるミネラルはイオン化しているので、体への吸収に優れています。カルシウムは一般に骨の形成に必要なミネラルと考えられていますが、実は体内の環境を一定に保ち、生活習慣病などを防ぐうえでとても大事な役割を果たしています。

また、マグネシウムは腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し、排便力を高めてくれます。カルシウムとマグネシウムの含有量は、水のラベルにある「硬度」を見るとわかります。がん予防の目的で飲む人は硬度120mg/ℓ以上の硬水が良いでしょう。

ただし、闘病中の人は硬度の低い水から飲みはじめ、体調がよくなってから徐々に硬度が高い水へと移行してください。体力のない人や、腎臓の悪い人は硬度の高い水は負担が大きいからこのように気をつけなければなりません。

第三に、天然の生水であることが大事です。加熱や殺菌など人の手を加えると、水の活性が失われてしまいます。塩素を大量に含む水道水にはトリハロメタンなどの発がん物質も含まれているため、がん対策にもっともよくない水です。

「がん年齢」に達したらミネラルウォーターを習慣に

水を飲む夫婦

年齢を重ねるごとに、私たちの体はさまざまな箇所で老化が進み「脳内センサー」でも、老化が始まります。脳には血液の濃度を感知し、濃くなった時には水分補給の信号を出すセンサーが備えられているのですが、加齢とともにセンサーの感度が鈍化し、体内の水分量が低下しても、のどが渇きを自覚しなくなってしまいます。

そもそも、年齢が高まるほど、人の体は乾燥していきます。それは赤ん坊の肌と、お年寄りの肌を比べれば一目瞭然ですが、体内の水分保存能力の低下が一つの原因になっています。その役割を担っているのは腎臓で、老廃物をろ過した後、水分を再吸収する働きが腎臓にはありますが、加齢とともにその機能が低下をしているのです。

のどの渇きに気づきにくくなり、しかも体内の水分を保持する力が低下しているのですから、中年以降の体は脱水症状手前の状態にある、と言っても過言ではありません。それが、がんを発病させる一因になっているとも考えられます。

したがって、40代くらいの「がん年齢」に達したら、意識的にミネラルウォーターを飲むことを習慣づけることです。1日に1.5Lの自然水ががん予防をもたらしてくれる、と考えれば、飲むことがすぐに習慣になるのではないでしょうか。

選ぶ水は、体の老化を防止する意味で天然のアルカリイオン水、体調を見ながら硬度の高めの水、ミネラル(マグネシウムやカルシウム)が含まれる水です。

藤田先生のウォーターレシピ

【水】がんなどの生活習慣病の予防に:アルカリイオン水、適度にミネラルを含む水

【飲み方】1日約1.5Lをちびりちびり飲む

藤田 紘一郎

東京医科歯科大学名誉教授

著者紹介

藤田紘一郎

藤田紘一郎 (ふじたこういちろう)1939年、旧満州生まれ、東京医科歯科大学卒。東京大学医学部系大学院修了、医学博士。
金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、現在、東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。

1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、小泉賞を授与。
2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉章を受賞。

主な近著に、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)『脳はバカ、腸はかしこい』(35館)、
『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』『人の命は腸が9割』(ワニブックス【PLUS】新書)などがある。

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