水に含まれるミネラル成分-水の循環する仕組み-
日本はとにかく雨や雪が多く、そのため水が豊かな国であると言えます。しかし欧州に比べると、日本の水にはミネラルが足りないという違いがあります。なぜこのような差が生まれるのでしょうか?水がどのように循環し、ミネラルがどのように蓄えられるか?ら答えを探してみましょう。
1.水はどこからやってくる?
水の源とはどこでしょうか?海?わき水?それとも雨?正解はすべてです。水はこの世界をグルグルと循環しながらわたしたちの元へとやってきます。
海の水が太陽に照らされることによって蒸発。水蒸気はやがて雲になり、世界中を旅しながらやがて雨になります。地上に降り注いだ雨はその後また海へと流れ出し、また水蒸気となり雲となり・・・といった風に循環していきます。
2.日本の水の欠点とは?
日本のお水はほとんどが口当たりのよく飲みやすい軟水と言えます。そのため日本人は昔から、口当たりが軟らかいお水に慣れ親しんできました。名水と呼ばれる数々の水も、ほぼすべてこの軟水になります。
飲みやすさ、という点ではとても人気のある軟水ですが、実は少し残念な点も・・・それは「ミネラル」があまり含まれていないことです。
そもそも水の硬さ(硬度といいます)は、このミネラル(カルシウム塩やマグネシウム塩など)がどれくらい含まれているかによって決まります。一般的に硬水と呼ばれる水には、このミネラルが多く含まれており、健康にもいいと言われているのです。
ではなぜ日本の水にはミネラルが少ないのでしょうか?その理由は、水がどのようにして循環しているかが大きく関わっています。
3.水のミネラルは地中滞在時間で決まる!
前述したように、お水はさまざまな場所を経ながら循環し続けています。ミネラルの元というのは地中の鉱物成分です。山へ雨や雪が降り、それが地中へとゆっくりしみ込み、やがて地下水となります。この過程で、水はいくつもの地層からミネラルを吸い込み、ナチュラルミネラルウォーターとなるのです。
しかし日本の場合は山地の傾斜が急で、平野も広いとは言えません。そのため地中での滞在時間が短くなってしまいすぐに河川へと流れていってしまいます。しかも日本の地域のほとんどが火山地帯になりますので、そもそも地層自体にミネラルが少ないことも原因のひとつとして挙げられます。
4.欧州の水はミネラルが豊富
欧州の水は地中での滞在時間が長く、ミネラル分が豊富な石灰岩でできた地層が多いためにミネラルが豊富な硬水になるのです。水の硬度やミネラル分については、どこの地域を水源にしているかで成分が変わると言えます。
5.日本のミネラルが豊富な水
日本にも温泉水といったミネラルたっぷりのお水もあります。
海洋深層水という、読んで字の如く海の深い部分からとれるミネラルウォーターも最近では販売されています。こうした水を利用すれば、総じてミネラルが少ないと言われる、日本のお水の欠点もしっかりと補えると言えるでしょう。
おわりに
「山に降った雨が、川になり海につながり、太陽熱で蒸発して雲になり、また雨になって山に降る」これが、自然に水が循環する仕組みです。
日本は国土が狭いために、山に降った雨が地中に滞在する時間が短く、ほとんどが火山地帯でミネラルをあまり含まない地層のために硬度が低い(ミネラルが少ない)です。
反対に欧州は国土が広いため、山に降った雨が地中に滞在する時間が長く、ミネラルを多く含む石灰岩を通過するため硬度が高い(ミネラルが多い)のです。
同じ水でも、水源となる地域の風土や気候により、水の性質は大きく変わります。