天然水とミネラルウォーターの違いって何?
「天然水とミネラルウォーターの違いについて教えてください。」と言われたら、答えることはできますか?おそらく明確に違いを把握している方のほうが少ないと思います。
今回は意外と知られていない、天然水とミネラルウォーターの違いについて触れてみました。
そもそも別物なの?
天然水とミネラルウォーターには、そもそも違いがあるのでしょうか。コンビニやスーパーで売っているペットボトルの水に、「富士山でくみ上げられた天然水!」というような文言をよく見かけます。
ですが一般的に、ペットボトル販売されている水はすべてミネラルウォーターと呼べそうなイメージもありますよね?実際に知り合いに聞いてみたところ、同じものだと思っている人が7割近くいることがわかりました。このコラムを読んでいる方も7割の内の一人ではないでしょうか。
しかし両者には、公的機関が区別した違いが存在します。次のパートで詳しく見ていきましょう。
違いはズバリ加工(処理)方法!
天然水もミネラルウォーターも、特定の地下水を原水としたものであることに違いはありません。ミネラルを含んだ自然の水という点では同じなのです。違いはその後の処理方法によって生まれます。
天然水が採水後にろ過・沈殿・加熱殺菌のみで処理されているのに対し、ミネラルウォーターはそれらの処理に加えて、オゾン殺菌などの化学処理なども施します。
また各種ミネラル分のブレンドや調整といった「追加」の要素も入ってくるため、天然水とは表記できなくなるのです。どちらも私たちの口に入る時には、安全でおいしい水になっていますが、それまでの過程に違いがあるということですね。
天然水はミネラルウォーターよりもさらに良質な原水であるため、余計な加工・処理が必要ないという言い方もできそうです。
天然水とミネラルウォーターの分類
農林水産省が定める「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」第3項では、天然水とミネラルウォーターの区分が明確にされています。
ア 特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないものにあっては、「ナチュラルウォーター」と記載すること。
イ ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中または地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む。)をいう。)を原水としたものにあっては、「ナチュラルミネラルウォーター」と記載することができる。
ウ ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラルの調整、曝気(ばっき)、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているものにあっては、「ミネラルウォーター」と記載すること。
エ ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターおよびミネラルウォーター以外のものにあっては、「飲用水」または「ボトルドウォーター」と記載すること。
このことからも、化学処理等が行われていない天然水はナチュラルウォーターか、ナチュラルミネラルウォーターに分類されるということですね。
それに対してミネラルウォーターは、ミネラルの調整やブレンドなどを行っているという点で、天然水と区別できるようです。
おわりに
いかがでしたか?天然水とミネラルウォーターは似て非なるものであることがわかりましたね。天然水は最低限の処理しか行われていないため、水本来の味わいを楽しめます。
一方でミネラルウォーターは化学処理が施されている分、安全性が高いという利点があります。
ですがミネラル分の追加が行われるなどの作業も加わるため、天然性が若干失われてしまうという部分も。どちらを選ぶかは、それぞれの好みでも変わって来るので一概には言えませんが、お水選びの際は、この辺りの知識を参考にしてみてください。