水が腐るって本当?ウォーターサーバーの水は腐るのか
お店やご家庭でも見かけることが多くなったウォーターサーバー。ウォーターサーバーの水は、蛇口からでる水道水よりも安心・安全でおいしいイメージが高いのではないでしょうか。
そんなウォーターサーバーの水が腐ることがあることをご存じでしょうか?賞味期限内なら大丈夫というわけではありません。ここではどうして水が腐るのかをその原因から解き明かしていきましょう。
水が「腐る」とは
純粋な水は無機物であるため、そもそも腐りません。しかし水道水をコップに入れて、数日間常温で放置しておくと水は濁り腐ります。ウォーターサーバーの水でも同じです。
ところで「腐る」とはどういったことを指すのでしょうか。「腐る」とは、腐敗微生物や腐敗細菌がタンパク質などを分解して有毒な悪臭などを発生させる事です。だとすると腐敗微生物や腐敗細菌が入っていない状態、またそれらが分解するタンパク質などが入っていない水は「腐る」ことはないと言えます。
しかし私たちが口にしている水道水は純粋な水ではありません。微量の不純物が含まれていたり、室内に放置している間に腐る原因となる微生物や細菌等が混入したりします。このため水が「腐る」のです。
水は保存がきくのか
蛇口から出る水道水はご存じの通り、塩素が含まれています。塩素を入れることによって、人体に有害な大腸菌や病原菌を死滅させています。つまりあらかじめ腐りにくくしているのです。
これに対して、ウォーターサーバーの水は、塩素やその他防腐剤が入っていないばかりか、天然水とされているものも多く見受けられます。水道水より腐りやすい条件であるのにもかかわらず、なぜ保存がきくのでしょうか。
理由は、ウォーターサーバーの水を作る工程で、殺菌し、無菌状態とした水をボトルに充塡(じゅうてん)・密封しているためです。つまり腐る原因となる微生物や細菌、タンパク質などが入らないようにしているのです。
またウォーターサーバー自体にも、水に触れる空気を洗浄するフィルターや紫外線(UV)等の殺菌装置が搭載されています。水を開封した後も腐りにくくする工夫がなされています。
このようにして密閉された水の賞味期限は、各社ばらつきはありますが、未開封状態で半年から1年、ウォーターサーバーにセットした開封状態では2週間から4週間程度と保存がきくようになっています。
おいしい水を飲むために
ここではウォーターサーバーの水をおいしく飲むためのポイントを紹介します。まずはウォーターサーバーの置き場所です。ウォーターサーバーを窓際やその他高温多湿になりがちなところにおいては元も子もありません。
必ず直射日光の当たらない、湿気の少ない場所に保管して、微生物や細菌が繁殖しやすい環境を避けて設置しましょう。同様に未開封の水ボトルの保管場所についても注意が必要です。
続いて、ウォーターサーバーにセットしたボトルの水は賞味期限内に早めに飲み切りましょう。サーバーには殺菌装置等が備わっている場合が多く、なるべく空気中の微生物や細菌が水に触れないような構造になっているとはいえ、まったくの無菌状態というわけではありません。無菌の状態ではないボトルの水は、早く飲むことをオススメします。
そしてくんだ水はなるべく早く飲みましょう。雑菌のついている可能性のあるコップやペットボトルに長時間入れて保存することはお勧めできません。どうしてもすぐに飲めない場合は、冷蔵庫に入れる、煮沸した容器に密閉するなどして雑菌が繁殖しにくい環境に置くことを心がけましょう。
おわりに
ウォーターサーバーの水が腐る理由について説明してきました。何も入っていなさそうな水でも腐ることはあるのです。なぜ水が腐るのか理解すると、どのようにすればより安全な水を飲めるのかも理解できるのではないでしょうか。
ウォーターサーバーの水も他の食料品と同様、賞味期限があることを念頭において、おいしいうちに飲むようにしましょう。