水中毒の原因と症状
人間の身体の約70%は水分でできている、と言われていることからわかるように、私たちが生きていく上でお水は必要不可欠なものです。
最近では意識して水を飲むことで健康維持や美容にも効果があると、芸能人やモデルの間でも話題に上がっているのを見かけますよね。
しかしいくら身体によいといっても飲み過ぎは禁物。お水を過剰摂取することで、中毒症状を起こしてしまう恐れがあるのです。今回はそんな水中毒が起きる原因と症状について解説していきます。
水中毒になる原因とは?
結論からいうと、水中毒は水分を過剰摂取することが原因で起こります。
人間はある程度の水分量までなら尿や汗として排せつ可能ですが、一定量を越して摂取してしまうと体外へ出しきれなくなります。そうなると身体の中に水分がたまった状態になり、血液中に含まれるナトリウムの濃度が低下してしまう「低ナトリウム血症」を起こします。
これがいわゆる「水中毒」あるいは「多飲症」とよばれるものです。この症状は、尿検査や血液検査によってナトリウムの濃度を測定することで判明します。
水中毒になりやすい人の特徴
自閉症や統合失調症といった精神疾患を抱えている人は、薬の副作用や過度な喉の渇きによってお水を大量に飲んでしまうため、水中毒になりやすいそうです。
そのほかに、糖尿病、胃不全、心不全。肝不全、甲状腺機能低下症、重症感染症などの病気の方も水中毒にかかりやすいといわれています。
また最近ではデトックスやダイエット目的でお水を飲む方が増えましたよね。そういった方も水中毒になる可能性があります。早く効果を得ようと、必要以上にお水を摂取してしまうからです。
お水を飲みはじめてから、体重が5~6キロも増えてしまうような、急激な体重の増加がみられた場合は、水中毒を疑ったほうがいいかもしれません。
水中毒にみられる症状は?
水中毒を起こすと、次第に気分が悪くなったり、イライラしたりしてきます。そのほかに、頭痛や吐き気、息切れ、足がむくむなどの症状も。さらに悪化すると、意識がもうろうとする、身体がけいれんを起こして意識を失う可能性もあるそうです。
これらの症状が続いてしまうと、何日にも渡って昏睡(こんすい)状態になったり、最悪の場合、死に至ったりする方もいらっしゃいます。
水中毒にならないためにはお水の摂取量に気をつける
人間が1日に必要な水分は、普通に飲むお水や食事等で摂取する分を合わせて、およそ2.5~3Lだそうです。なのでこの目安の量を守って水分補給を行いましょう。
また運動をした後や日差しが強い日など、いつもより汗をたくさんかいた時は、スポーツドリンクや塩分を含む飲料水を飲んで、「低ナトリウム血症」を起こさないようにするのも大切です。
ですがスポーツドリンクの中には糖分や塩分の量が十分でないものも存在します。そのため経口補水液で水分補給するのが効果的でしょう。1Lのお水に対して、塩3g、砂糖40g混ぜるだけで簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。
そしてお水は「喉が渇いたと感じたときにこまめに飲む」のが適切なタイミング。お水を一度にたくさん飲んでしまうことでも、血液中のナトリウム濃度が低下して水中毒になるかもしれないからです。
一気飲みをせず、1回の水分補給はコップ1杯(100~200ml)を目安に少しずつ飲みましょう。
またお水の温度が低すぎると身体を冷やしてしまうため、常温や少しぬるめに感じる温度がオススメです。
おわりに
お水の飲み過ぎで起こる「水中毒」について解説いたしました。
お水は正しい量を正しく飲むことで体の調子を整えてくれます。ですが飲めば飲むほどよいというものではないというのがわかりましたね。
1日に必要なお水の量や、一度に飲む量に気をつけて水分補給を行いましょう。