ミネラルウォーターを飲んでも大丈夫なのは何歳から?
「ミネラルウォーター」が水市場の一区画を占めて久しい今、このミネラルウォーターを子どもに飲ませたい、と考える人も多いのではないでしょうか。
ただ「このミネラルウォーター、子どもに対して与える場合は何歳から与えたらいいのか?」と疑問をもつ人もいます。とくに小さなお子さんのいるご家庭では、気になるのではないでしょうか。
こんな疑問を解きほぐしていきましょう。
「ミネラルウォーター」の硬度が重要
「ミネラルウォーターは何歳から飲めるのか」を考える前に、まずは「ミネラルウォーターの硬度」について見ていかなければなりません。
「ミネラルウォーター」という表記は、実はかなりあいまいです。「ミネラルウォーター」という名称だけを見ると、「ミネラル分がたくさん含まれた天然水のことだ」と考えてしまいがちです。そしてこの「ミネラル分がたくさん含まれた天然水というのは、いわゆる硬水のことである」と考えるでしょう。
しかし実際には、「ミネラルウォーター=天然水」というような認識で使われることも非常に多いのです。つまり「ペットボトルやウォーターサーバーで得られる水(水道水以外)であり、おいしい水」といった認識です。このような認識で「ミネラルウォーター」という言葉を使う場合、それは必ずしも「硬水」を指すわけではありません。日本で利用されているウォーターサーバーの水は、基本的にはすべて「軟水」だからです。
このふたつがごっちゃになっているため、「ミネラルウォーターは何歳から飲めるのか」についても、意見が分かれてしまいがちなのです。
ここではわかりやすくするために、「ミネラル分が多く含まれているミネラルウォーター」のことを「ミネラルウォーター(硬水)」、「実際には軟水であるミネラルウォーター」を「ミネラルウォーター(軟水)」と表記してお話しします。(両方を含む場合は、単純に「ミネラルウォーター」とします)
ミネラルウォーターは何歳から飲めるのか
このミネラルウォーターですが、「ミネラルウォーター(硬水)」も「ミネラルウォーター(軟水)」も、実は明確に「○年以上からではないと飲んではいけない」という決まりはありません。個々人の体調にもよるからです。
たとえばミネラルウォーター(硬水)の方は日本ではあまり飲まれておらず、子どもに対して与えるのはあまり好ましくないとはされていますが、ヨーロッパ圏などでは硬水を使って赤ちゃんのミルクを作ります。そのため「硬水を使ったら、確実に子どもに健康被害がいく」ことではないのです。
ただし日本人にとってなじみ深いのはやはり軟水の方です。大手メーカーであるサントリーなどは、Q&Aで、「自社製品は硬度が低い水なので、ミルクづくりにも使用できる」としていますね。(ただ、「阿蘇の天然水」は比較的硬度が高いので、気になる人もいるかもしれません)
赤ちゃんの粉ミルクをミネラルウォーター(硬水)で作ってしまうと、おなかを壊してしまうことがあります。そのため赤ちゃん用の水としてもっとも望ましいのは、「RO水(「純水」「ピュアウォーター」とも呼ばれる、特殊なろ過膜を使い、水のなかからミネラル分などを取り除いた純粋な水。
基本的にはミネラル分が含まれていないため、乳幼児の消化器官にダメージを与えない)」だと言われています。このRO水が手に入らないのであれば、ミネラルウォーター(軟水)や水道水を使うとよいでしょう。
ミネラルウォーターを飲みはじめる年齢ですが、専門家のなかには、「小学生以上が望ましい」としている人もいます。とくにミネラルウォーター(硬水)の場合は、乳幼児~就学前の子どもに与えるのは避けておいた方がよさそうです。ミネラルウォーター(軟水)は、私たちが普段使っている水道水と同じように軟らかい水ですから、そこまで神経質にならなくてよいでしょう。
また「そもそも非常におなかを壊しやすい子どもだ」「家系的におなかが弱い」「母親も父親も、海外で硬水を飲んだ時におなかを壊した経験がある」などのような場合は、事前にそのミネラルウォーターのメーカーに問い合わせて、「何歳くらいから飲んでも大丈夫なのか」という目安を聞くのも一つの手です。
あまり神経質になりすぎる必要はありませんが、「赤ちゃんには硬水を飲ませない」「ある程度消化器官が発達してから、硬度の高い水を飲ませるべき」といったことは、覚えておく必要があるでしょう。
おわりに
「ミネラルウォーター」も、ミネラルの含有量で軟水と硬水がわかれるので、少しややこしいですよね。でも簡単に考えれば、「赤ちゃんの頃はRO水を、ある程度育ってきたなら軟水を、本人が好むようになったら硬水を」というスタイルでいいのかもしれません。幸い日本は、RO水も軟水も選択肢が多いですしね。また硬水もスーパーや通販などで簡単に買えますから、フレキシブルに対応しましょう!