奇跡の水?世界の名水特集~ナダーナの水
世の中には、科学では解きほぐせない、たくさんの神秘的な現象があります。私たちにとってもっとも身近な存在である「水」でさえ、そのすべての謎が解明されているとは言いにくいのです。
「奇跡の水」「世界の名水」と言われているものの多くは、この「解明されていない謎」と「きちんとした成分分析」のふたつを兼ね備えています。どちらを信用するかはあなた次第ですが、今回はそのなかから、「ナダーナの水」を取り上げます。
ナダーナってどんなところ?どんな特徴や言い伝えがあるの?
ナダーナの水についてお話をする前に、まずはナダーナの歴史と特徴について見ていきましょう。
ナダーナという村は、インドにあります。インドの中心の町であるデリーから、150キロメートルほど走った先にあるところであり、それほど大きな村ではありません。この村にある井戸のなかで、すでに枯れてしまっているものがありました。これ自体は決して珍しい話ではないのですが、ナダーナの水の奇跡はここから始まります。
1992年(2000年の9月という説もあります)になって、この枯れた井戸から、再び水が出てきました。これだけでも非常に驚くべきことなのですが、ナダーナの水の奇跡はまだ終わりません。
ナダーナの水が注目されるようになったのは、その水を使って目を洗った、一人の職人の言葉からです。彼は仕事の作業中に、「目に入り込んでしまったものを洗い流そう」と思い、この井戸の水を使いました。そうしたところ、目に入っていたゴミと一緒に、目の持病も洗い流されたかのように治ってしまったのです。さらにこの水を使って体を洗ったところ、皮ふの病気もよくなったということでした。
ここから始まったナダーナの水が生んだ奇跡ですが、その奇跡は、その後も続いていくことになります。ナダーナの水の奇跡を語るうえで外せないのが、小さな女の子のエピソードでしょう。彼女はポリオ(小児まひ)を患っていましたが、ここの水を使ったところ、歩けるようになるまで症状が回復したと言われています。
このような数々の奇跡により、ナダーナの水は「神様の水」として、多くの人にあがめ奉られるようになりました。現在もその信仰は続いており、この小さな村に、奇跡を求めて訪れる人が絶えないと言われています。
ナダーナの水の効果と効能、そして「世界の奇跡の水」をどう考えるか
上では、「目の病気が治った」「皮ふの病気が良くなった」「ポリオ(小児まひ)の子が歩けるようにまでなった」という説を紹介しましたが、ナダーナの水にまつわるエピソードはそれ以外にもあります。
たとえば「アンチエイジング効果」や、「活性酸素にあらがう力」などがそうです。女性にも男性にもうれしいさまざまな効力を持っていると考えられています。
その理由の一つが、「ケイ素」と呼ばれるものです。これはナダーナの水に含まれているもので、「シリカ」とも呼ばれます。私たちの肌のハリツヤを保つために必要なコラーゲンの生成をサポートし、髪の毛などを育てる成分です。
またかさついた肌を潤わせ、保湿する効果もあると言われています。このケイ素が不足すると、体にはさまざまな悪い影響が出ます。肌のハリや髪の毛に影響が出るだけでなく、骨も老化しやすくなってしまうのです。
このように考えると、ナダーナの水には十二分な効果があるように思えます。しかしながらナダーナの水は万能薬ではありません。たしかに体によいとは言われていますが、これだけですべての病気を治すことはできませんし、飲んでいれば病気にならないというわけではありません。
ナダーナの水に限らず、「奇跡の水」を取り上げるとき、その多くで「活性酸素を除去できる水素を持っている」ことが言われます。しかしこの「水素」のもつ健康効果については、現在懐疑的な見方の方が多いと言えます。
またナダーナの水などに含まれている各種のミネラル分は、たしかに体によいものではありますが、そのミネラル分だけをもって、「決して病気にならない体」を作ることはできません。ミネラル分は、人間の体に必要なものではありますが、あくまで「必要なもののうちの一つ」でしかないのです。
科学や医学で解明されていないことは、たくさんあります。そしてそれらは、「すべてサギだ」と言えるものではありません。ただ「奇跡の水」というものだけを信じて、運動をしなかったり、適切な治療を受けなかったり……といったことではいけません。
このあたりのことを考えて、うまく付き合っていきたいですね。
おわりに
インドにある「ナダーナの水」に触れると同時に、「奇跡の水」と呼ばれるものについても見てきました。その解釈は人の判断にゆだねられるところが多く、「効果は必ずある」「まったく効果がない」ともどちらとも言えないものです。ただ運動や食事、薬での治療を続けながら、これらの水をとっていくというスタイルは、悪くないのではないでしょうか。