「奇跡の水」と呼ばれる世界三大霊水って何?
「霊水」という考え方は、実は世界各地にあります。そしてそのなかでもとくに有名なものは、海外でもよくメディアに取り上げられています。
今回は、「奇跡の水」「世界三大霊水」とよく呼ばれる水について考えていきましょう。
ちなみに少し残念ではありますが、日本のお水はこの「世界三大霊水」にはカウントされていません。
「三大霊水」ってそもそもどこのこと?
「三大霊水」と呼ばれるものは、人によって多少の違いはあるかもしれませんが、よくあるのは以下の三つを取り上げるパターンです。
- フランスにある「ルルドの泉」
- ドイツに存在する「ノルデナウの水」
- メキシコにある「トラコテの水」
「三大霊水」について述べているところは、基本的にはこの三つについて述べています。
この三つの水については、さまざまな病気を治した・・・・・・という伝承が伝えられています。その解説として、「水素水」を取り上げるところもありますが、残念ながら水素水には医学的な根拠や科学的な根拠は認められていないと考えるのが妥当です。
しかしながら「お話」としては非常におもしろいですし、イワシの頭も信心からと言います。とくに「信じる気持ち」というのは非常に強いものです。人間は思い込みの力で病状がよくなることもありますし、また逆のパターンもあると報告されています。
そのように考えれば、「三大霊水に触れたから、自分の病気は改善に向かうのだ」という前向きな気持ちを持ったことによって、病状が改善したという人という人がいたとしても、何の疑問もありません。
今回は、「三大霊水」のそれぞれの言われについて見ていきましょう。
フランスの「ルルドの泉」について
恐らく、「三大霊水」のなかでももっとも有名なのが、この「ルルドの泉」なのではないでしょうか。とくに霊水や水、歴史や地理に詳しくない人でも、この単語だけは聞いたことがあるかもしれません。
これはフランスの山奥、ピレネーの山脈に抱かれた村である「ルルド」に存在します。今から150年ほど前に、この村の少女たちが川にいるときに、突如として聖母マリアが現れたと言います。
そしてこの聖母の出現は1回だけにとどまらず、20回ほども彼女たちの前に現れたと言われているのです。
さらに奇跡は続きます。聖母マリアが、彼女たちに告げた場所に行ってみると、そこには水がこんこんと湧き出る泉がありました。この泉に触れた人の病気が治った・・・・・・ということで、このルルドの泉は「聖母マリアのもたらした奇跡だ」として、一気に広まっていきます。
このルルドの泉が非常に特徴的で、かつ特別なものであることは、その後に行われたカトリック教会での調査でしょう。ルルドの泉が「奇跡の御業のなせるもの」といううわさが広がり、カトリック教会によって調査が行われました。その結果として、時のカトリック教会は、「この奇跡は本物である」として公認したのです。
これは非常に大きく、それ以来、現在に至るまで、ルルドの泉は「聖地」として巡礼地の一つともなっているのです。
ドイツにある「ノルデナウ」について
フランスに「ルルドの泉」があるように、ドイツにも「奇跡の水」があります。それが、「ノルデナウ」というところにある水です。
ドイツの主要都市であるフランクフルト。ここの空港からドイツに入る人も多いかと思われますが、ノルデナウは、そこからはるか4時間ほども北上したところにあります。
ノルデナウにある「奇跡の水」は、フランスのルルドとは違い、炭鉱のなかにあります。非常におもしろいのが、この炭鉱は、現在ではすでに廃坑となっていることです。しかしその廃坑のなかにこそ、この「奇跡の水」があります。
ノルデナウの水が取り上げられはじめたのは意外に新しく、1992年に入ってからです。この水を飲んでいると痛みが和らぐといった声も聞かれ、そのうわさが広がっていきました。ちなみに日本人の教授(九州大学農学部の先生)もこのノルデナウの水の研究に関わっています。現在はホテルもできています。
メキシコにある「トラコテの水」
奇跡の水があるのは、ヨーロッパ圏だけではありません。メキシコにも、「奇跡の水」と呼ばれるものがあります。それが「トラコテの水」です。
トラコテの水があるのは、メキシコシティから北上したところです。2時間半ほどかけてたどり着いたそこには、それほど大規模ではない村があります。この村こそ、「トラコテ」という名称なのですが、「奇跡の水」があると言われているのは、その村のなかの牧場です。一つの牧場の井戸から湧き出た水が、「奇跡をもたらす水」として重宝されているのです。
この「奇跡の水」が発見されたのは、ノルデナウの水とほぼ同時期である1991年のこと。足の弱った犬がこの水を飲んだところ。症状が改善したと言われています。
ちなみにこの水は、牧場主が管理する井戸から出たものではありますが、なんと無償で提供されています。
おわりに
世界各地にある「奇跡の水」。三大霊水と言われるもののなかに日本の水は入っていないのが少し残念な気はしますが、さまざまないわれがあるのは確かです。
霊水にだけに頼って薬を飲まなくなるのは別ですが、病は気からと言います。これらに触れることで、前向きに治療に取り組めるのなら、それにこしたことはありません。
旅行に行かれた際には、立ち寄ってみてもよいのではないでしょうか。