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「世界水の日」で改めて考える、水問題

「世界水の日」で改めて考える、水問題

私たちが生きていくなかで、欠かすことのできない「水」。水は私たちの命の源であり、私たちの生命そのものを支える、空気と同じようにこのうえもなく大切なものです。

ただし水は、当たり前にそこにあるため、逆にその大切さを意識しないで過ごしてしまうこともあります。

水の大切さをあらためて考えさせられる、「世界水の日」について見ていきましょう。

世界水の日って何のこと?

世界水の日

「世界水の日」という言葉は、多くの人にとってなじみがないものでしょう。ここでは、まずは「世界水の日」についてお話します。

世界水の日というのは、1992年の6月、国連環境開発会議(地球サミット)(環境と開発に関する国連会議)において、「世界水の日をつくるように」と告げられたことがきっかけとなり、制定されたものです。当時はまだ20世紀。来るべき21世紀の環境を考えた、行動計画のうちの一つだったのです。

この勧告を受けて、世界は、世界水の日の制定に動きはじめます。1992年の年末に行った会議によって、「毎年3月22日は、世界水の日としよう」と決められたのです。この世界水の日は、主に、「水資源」について話し合います。水資源をどうやって開発するのか、どうやって守り続けていくのかなどを話し合う日であり、水の大切さを啓発するための日なのです。

出展:国土交通省 「水資源」「世界水の日」

日本でも開かれた「世界水の日」の会議について

東京

この「世界水の日」ですが、世界各国のさまざまな場所で行われています。

ただし2014年の3月21日には、はじめて日本の東京で会議(国連水関連機関調査委員会主催・「2014年世界水の日記念式典『水とエネルギーのつながり』」)が執り行われました。

この式典には、皇太子殿下や国土交通大臣が参加し、お言葉を述べられました。その内容は、わが国日本の水関係の技術、日本における水の考え方、そして国際貢献に対する内容だったと言われています。現在でも、そのときの国土交通省の基調講演を、国土交通省のページで見られます。

世界水の日、さまざまな取り組みについて

節水イメージ

上では、日本で行われた「世界水の日の会議」について取り上げましたが、このような催しは、さまざまなかたちで行われています。

たとえば「世界水の日こども議会」。私たちは、「国際会議」というと、ついつい、大人の、しかも極めて限られた人たちだけのものだと思ってしまいがちです。

しかし時代の世界を担っていくのはこどもたちです。そのため「こども」を中心とした活動も行っていこう、という考えが出てきました。

この「世界水の日こども議会」が開かれたのは、2010年が最初です。国連からも公認されているものであり、さまざまな取り組みが行われています。たとえば「水に対して、どのような取り組みができるのか」を考えて、写真や動画をとったり、大川さくらクルーズの「お花見フェスタ」の最中にブースを出展したりしているなどです。このような活動を通じて、広く、水の大切さを学ぶだけでなく、「自分自身が、水に対してどのように行動ができるのか」という自発的なアクションを促しています。

「知ること」の意味を伝える

水

取り組みの一つとして、「さまざまなデータの取りまとめと、それの共有」があります。

たとえば今年(2017年)、ニューヨークから世界水の日に発せられたデータでは、「今後の23年間の間に、全世界のこどものうちの25パーセントが、水源が非常に少ない場所で生活することになる」でした。現在はまだ水があるところであったとしても、今後の23年間でそれが枯れ果てていくのではないかということに対する、警鐘を鳴らしたかたちです。

上でも述べたように、こどもは、これからの世界を支えていく世代。彼らのうちの25パーセントが、水にさえ事欠く地域で育つことは、非常に危険です。またこの報告書では、「水が極めて得られにくい地域において、水を得るために費やされる時間が膨大であること、そしてその最中の危険性」についても指摘しています。

また排せつと水の関係についても警告がなされています。

日本は、「水」については非常に恵まれた国です。水道をひねれば安全な水が出てきますし、毎日お風呂に入り、清潔なトイレを使えます。しかしそれは決して「当たり前」でないことを、世界水の日の報告は教えてくれるでしょう。

おわりに

「何かを知る」ということは、それに対して、「どうするべきか」というアクションを考えさせるきっかけになると思っています。たしかに世界水の日の報告書は、日本に住むわれわれにとっては遠い世界の話のように思えるでしょう。しかし現在水に困っている環境があって、そしてそれが未来への課題としてある、という事実を知ることは、今後の世界を考えていくうえでとても重要です。

世界水の日をきっかけとして、水の大切さや、それを守るための方法を話し合いましょう。

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