水道水がおいしい地域はどこ?水道水のおいしさを決める三つのポイント!
水道水のおいしい地域を知るためには、まずは水がどうしたらおいしくなるのかを知る必要があります。昭和59年に設立され、おいしい水研究会のアンケート結果などから、その特徴などを見てみましょう。
そもそも水の味って?
本来、水というものには味や香りはありません。雨水などは蒸留水に近いので、ほぼ無味無臭になっています。では味がなく臭いも少ないことが「おいしさ」の条件になるのか?というと、そうではありません。むしろ何も含まない純粋な水は、飲み応えとしてはイマイチであると言えます。
お水のおいしさは含まれるミネラルなどの量やバランスが左右しています。長い時間をかけてさまざまな地質層や岩石層へしみこんでいった水は、味も成分も良質なナチュラルミネラルウォーターになるのです。
おいしいお水の条件
1985年(昭和60年)に「おいしい水研究会」が発表したアンケート結果によると、以下の条件が、おいしい水道水には欠かせないことがわかっています。
1.水源の水質が良好であること
河川や湖沼など、水源の水質がまずは重要となります。元々の水が汚くては味が悪いのは当然です。塩素処理や浄化作業を可能な限りなくし、原水に近い状態で飲めるかどうかが重要になります。このため良質なわき水や井戸などは高ポイントとなります。
2.ミネラル成分のバランス
とくに日本人の場合は普段からミネラル成分の少ない軟水を口にしているため、あまり硬度の高いお水を「おいしい」とは感じないようです。ミネラルの量のバランスがよいことが、おいしいお水には欠かせません。
3.適切な水温
水の温度はおいしさに大きく関わります。適切なのは10~15度程度であり、これよりぬるい場合はやはりまずいと感じます。ではとにかく冷やせばいいか?というと、そうでもなく、カルキ臭が強くなるなどの弊害もあります。
上記の条件を満たす地域は、北海道から宮崎県まで全国に点在しています。とくに多くの自然を残している地域がリストアップされている印象で、環境が水質に大きな影響を与えることがうかがえます。
おいしくない水も・・・
おいしい水研究会のアンケート結果では、残念ながらおいしくないお水の地域もわかってしまいます。
京阪神や瀬戸内海沿岸、北九州などの大規模工業地帯をもつ地域の場合、工場からの排水が水源に深刻なダメージを与えていることが予想されます。汚染されている水は水道水として利用するために大量の薬品が使用され、急速なろ過が行われます。味よりも安全性が優先になってしまうのですね。
ちなみに沖縄県の水道水は日本で唯一の硬水です。沖縄のお水がおいしいと感じられないのは日本人特有の感覚ですので、水質の悪さが原因ではありません。
おわりに
このようにお水の味というのは、その地域の状態がダイレクトに反映されるものです。お水の味を知ることは地域の自然環境を知ることである、と言えるのではないでしょうか?
- ■参考文献
ミネラルウォーターBOOK 医学博士井上正子監修
- ■参考サイト