関係ないと思っていませんか?水の汚染問題について考えよう
私たちが普段何気なく飲んでいる水道水。水道の蛇口をひねればいつでもきれいでおいしい水が出てくる、というのは、世界中でもほとんどないことなのです。多くの国では、水道は整備されておらず、飲み水として利用できません。
水道法で厳密に管理されている日本の水道水ですが、現在もなお、汚染問題と向き合わざるを得ない環境にあることも確かです。水の汚染問題について知ることは、私たちの健康にとって非常に大切なことなのです。
世界でも類を見ない、日本のおいしい水道水
日本では、ほとんどの地域で水道の蛇口をひねればおいしい水が出てきます。当然のように飲んでいる水道水ですが、日本と違ってほとんどの国の水道水は飲めません。浄水施設などの衛生環境が整っていないことが原因といわれていて、多くの家庭では飲用水にミネラルウォーターを購入するか、ろ過する手間をかけているのです。
日本では、水道法によって水道水の水質基準が厳正に定められています。さかのぼると日本では16世紀半ば頃から、河川から水を引き込むことが行われていました。江戸時代には水不足を解消するために、玉川上水の建設がおこなわれています。近代的な水道が整備されるようになったのは、明治に入った頃からだといわれています。
飲用に適した水を引き込むために、井戸からではなく遠方の河川から水を引き込む水道の建設が始まりました。その後1890年に水道条例が制定されたことから、急速に普及していきました。
水質については、1957年に水道法が定められ、改訂が行われながら現在まで、水道水の水質を管理しています。人体に悪影響のあるカドミウムや水銀などについての許容値や、大腸菌の不検出などさまざまな項目があり、厳正に審査されています。
日本の水道は古くから改良されながら進化し、現在のおいしくて安全な水につながっているのです。
無視できない水質汚染問題は、生活排水と産業廃棄物が原因
進化し続けている日本の水道水ですが、日本が現代化していくために、水質汚染の問題は避けて通ることはできませんでした。
水質汚染の原因は、主に生活排水と産業廃棄物だといわれています。とくに生活排水は、水質汚染の70%をも占めている深刻なもの。油やお米のとぎ汁、洗剤などの台所から出るものや、洗濯洗剤などから出るものが生活排水の多くを占めています。また殺虫剤や除草剤なども、排水に流れていくと水に大きな負荷を与えてしまいます。
「もう使わないから捨てよう」と何気なく排水口に流す化粧水などですら、さまざまな化学化合物が含まれていますので、水に影響が出てしまうのです。
もうひとつの原因である産業廃棄物も、深刻な問題です。産業廃棄物から生じる酸性物質も、水に大きな悪影響を及ぼします。そのほか、工業用の化学廃棄物やガソリンなどの燃料、肥料など、多くのものが水を汚染していってしまいます。水俣(みなまた)病やイタイイタイ病などが有名ですが、工場から排水される水銀やカドミウムが近隣の河川、海の魚などに蓄積し、それを食べた住民が大変な病に冒されることとなってしまいました。
水質が汚染されると、飲用水だけでなく地球の生態系にも悪影響が出てきてしまい、私たち人間にも大きな悪影響を及ぼすこととなってしまうのです。
普段の何気ない行動が、水質汚染問題につながっているのです。私たちが使用する水道水は、私たちできれいに保っていく必要があります。
安全でおいしい水を選ぶなら、やっぱりウォーターサーバー
とはいうものの、いくら気をつけていても完全に生活排水をなくすことはできません。
そして過去の水質汚染問題などを踏まえ、水質を厳正に管理している日本の水道水ですが、必ずしも安全とはいいきれない不安もあります。
たとえば水道水に適した水質にするためには、多くの水源で塩素による殺菌が必要です。しかし塩素や塩素殺菌によって産生されるトリハロメタンなどは、完全に除去しきれません。もちろん、長期的に飲んでも問題がないとされる数値に調整されているので問題はありませんが、小さなお子さんや高齢者のご家庭などでは、とくに気にされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。また古い水道管などを通った場合、雑菌や鉛などが混入する可能性もあります。
水道水を飲用とすることに抵抗がある場合は、ウォーターサーバーのお水がオススメです。メーカーによって天然水とRO水の取り扱いがありますが、どちらも塩素殺菌ではなく、ろ過や加熱・非加熱殺菌・逆浸透膜などを使った殺菌などを施しているので、塩素が気になる方も安心して飲んでいただけます。また水道水特有のカルキ臭もなく、水のおいしさを堪能できます。手軽においしい水を冷水や温水で飲めますので、ペットボトルをいくつも購入するのが手間な方にオススメです。
おわりに
安全といわれている水道水ですが、残留物やカルキ臭など、どうしても気になる場合もあります。そういった際には飲用水だけでもウォーターサーバーの水にチェンジしましょう。
私たちが生活する上で、水質汚染問題は避けて通れません。油を排水口に流さないなど、少しでも水質汚染を回避する努力はできますので、一人ひとりが水質汚染を増進させないようにする意識をもつことは、地球環境にとって非常に大切なことです。私たちの次の世代が過ごしやすくなるように、心がけていきましょう。