宮崎県の南部には、霧島温泉などで有名な霧島山麓があります。霧島山麓付近は温泉や牧場などが有名ですが、霧島山麓を貯水源としている出の山湧水という名水をご存じでしょうか。都市からもあまり距離が離れていないため、この名水を求めて採水地に訪れる観光客は多く見られます。
ここでは、この出の山湧水のアクセス方法や成分情報などについて紹介していきます。
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どこで採水されている?
出の山湧水の採水地は、宮崎県小林市にあります。採水地周辺は豊富な自然に囲まれており、ゲンジボタルの生息地としても知られています。出の山湧水は環境省が選定する名水百選にも選ばれましたが、他にも多様な生物が生息しているため、「ふるさといきものの里」にも選ばれました。
出の川湧水は全国の名水の中でも水質が特に良好な状態であり、古くからこの地域の自然を育んでいます。また、1年中良好な水温・水質であるため、季節を問わず採水地には多くの観光客が訪れています。
採水地へは最寄駅であるJR小林駅を下車し、タクシーで南へ10分ほど移動すれば辿り着くことができます。自動車で向かう場合には、宮崎自動車道小林ICを降りて東へ5分ほど走れば到着します。
名水の由来
かつて景行天皇が熊襲親征の帰途についた際に、この小林市を訪れました。そのときに小林の地の姫が出の山湧水の水を天皇に献上したとされており、その水の美味しさに天皇が大変喜んだと言われています。その後、2人の間には恋心が芽生えましたが、天皇は都に帰る必要があったため、2人が結ばれることはありませんでした。姫は恋慕の情を抑えることができず、出の山池に入水したと伝えられています。
現在では、地元住民を中心にボランティア清掃などが採水地周辺で行われています。農業用水として利用されており、官民一体となって水質保全活動に取り組んでいます。また、周辺は人工林ですが、これを雑木林にすることによって生物の生息地を増やす活動も行われています。
ミネラル含有量と味わい
出の山湧水の硬度は、1リットルあたり平均71~73ミリグラムとされています。炭酸水素カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオンが主な成分であり、名水百選の中では比較的硬度が高めです。そのため、軟水よりも飲みごたえがあることが特徴です。
水量は毎秒1トンとも言われており、1日にすると約8万立方メートルの水が湧出しています。水温は季節によって少し変化が見られ、11度~18度とされています。
採水地周辺の観光地
採水地から約200m離れたところには、小林出の山淡水魚水族館があります。数多くの淡水魚を見ることができ、穴場の観光スポットとして観光客から人気を集めています。
そこから約3km離れると、自然を堪能することができる生駒高原などの観光スポットがあります。コスモスを中心とした美しい植物を楽しめるスポットであり、広大な敷地の中でゆったりと流れる時間を過ごすことができます。
また、採水地周辺にはいのしし料理やチーズ饅頭など、有名なグルメもいくつか見られます。
出の山湧水の口コミ
ホタルが乱舞する出の山湧水 pic.twitter.com/HM3AyKYa73
— Yusei Miyanohara (@89Usd_Eima) February 1, 2015
水のせせらぎが心地よい。ホタルが生息するのも納得の透明度です。
出の山湧水(いでのやまゆうすい)。
日本名水百選のひとつ。
最近ではチョウザメの養殖に成功して話題のようです。
キレイな景観です。 pic.twitter.com/uys9f4V3Ah— ばる (@caa40090) July 23, 2014
この湧き水を利用してチョウザメの人工孵化に成功したそうです。また民間協力もありキャビアの商品化も行っています。
@kaochan_nao 出の山は宮崎でも山の中にあり、湧水で有名なトコです♪ コリコリして美味しいですヨ~(^_^)v pic.twitter.com/wEVYJRG3RG
— 尚美 (@naomiyide) August 16, 2013
鯉も大喜びの水質の良さ。都心でこんなにしっかりハッキリと鯉を見たことはありません。
出の山湧水の風景
ゲンジボタルの生息地として有名な山の中のミュージアム、ホタル館。アートなカメレオンがお出迎えしてくれるんですね。
めずらしいお魚がいっぱいの山淡水魚水族館。子供から大人まで楽しめる観光スポットです。
見ているだけで気持ちが落ち着き癒やされます。お天気の良い日にはお散歩コースに最適ですね。
アクセスマップ
どこで購入できる?
出の山湧水の水は、一般的な販売がされていません。ただし、現在でも良好な状態が保たれているため、採水地に赴けば飲用することができます。また、ペットボトルなどの容器を持参すれば、容器に入れて持ち帰ることも可能です。一部のウォーターサーバー用の水としても使用されています。
おわりに
ここまで、宮崎県の名水である出の川湧水について紹介してきました。出の川湧水の採水地にはゲンジボタルが生息しており、周辺にも多くの自然が残されています。さまざまな見所が詰まったエリアであるため、宮崎に立ち寄る機会のある方は、一度採水地付近に訪れてみましょう。
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