地域の方々によって大切に守られている猿庫の泉(さるくらのいずみ)は、お茶に適した水として知られています。ここでは、この水の特徴や採水地周辺の観光地などについてご紹介します。
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どこで採水されている?
猿庫の泉は、長野県飯田市の北西にそびえる風越山山麓の天竜川水系円悟沢に湧出している泉で、昭和60年(1985年)に環境省より名水百選に選ばれました
東屋や茶室が整備され、4月から5月の新緑は美しく、5月から10月までの休日には猿庫の泉保存会が主催する野点(のだて)が行われています。
採水地へは、JR飯田線を飯田駅で下車してタクシーで10分程走れば訪れることができます。車では、中央自動車道飯田ICから15分ほどです。
名水の由来
江戸時代に茶道家の不蔵庵龍渓宗匠(ふぞうあんりゅうけいそうしょう)が茶の湯に最適な水を求めて諸国を旅していたところ、天竜川下流の水のうまさに心をひかれ、川をさかのぼって源流を探し当てたのがこの猿庫の泉だと言われています。
猿庫の泉は、昔から茶の湯に適することで知られ、応永年間(1394年から1428年)には茶道を極めた城主がいたとされる記録があり、文化文政(1804年から1830年)頃には、時の飯田城主掘公が城内に数奇屋を建て、家来達に毎朝馬を駆けさせて水を汲ませにやり、この水で茶の湯を点てたという話も残っています。
ミネラル含有量と味わい
お茶に適した水と言われている猿庫の泉の硬度は11.0mg/Lから14.0mg/Lの軟水です。水温は10.0度から13.0度で炭酸水素イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオンが多く含まれています。採水地での飲用も持ち帰りも可能です。
採水地周辺の観光地
天竜川(てんりゅうがわ)は長野県から愛知県、静岡県を経て太平洋へ注ぐ一級河川です。長野県飯田市では、天竜舟下りや天竜ライン下りが楽しめます。峡谷にこだまする櫓音(ろおと)と爽快な水しぶきを感じながら、つつじ、山桜、白百合、もみじと四季折々に変化する鵞流峡の風情を満喫できます。
長野県はりんごの産地として有名ですが、飯田のりんご並木は、現在の飯田のまちづくりの原点とも言える存在です。昭和28年(1953年)に飯田東中学校の生徒たちによって植えられた並木は、市内の小中学生によって管理され、毎年秋に収穫されます。
平成11年(1999年)に並木全体が大きな公園として再生され、春には白い花、秋には赤い実をつけて、道行く人の心を和ませています。りんごの他にも、もも、梨、ブルーベリーやぶどうなどの収穫が体験できる観光農園もたくさんあり、シーズンになると家族連れで賑わいます。
信州は全国へとそばが伝播していった発祥の地としても知られており、良質な水を使って打たれた南信州の蕎麦は絶品です。採水地周辺には温泉も点在しており、体験型の観光を楽しんでおいしいものを食べたら、温泉にのんびりつかって旅の疲れを癒すことができます。一番近くの温泉地は名勝天龍峡温泉です。温泉宿によって違った趣が楽しめ、日帰りでの利用ができる温泉もあるため気軽に立ち寄れます。
猿庫の泉の口コミ
名水百選、猿庫の泉。茶人が惚れたというだけあって美味しい。何というか、どういったクセも無いような気がした。辺りは風流を絵に描いて額縁をつけたような風流な場所だった。 pic.twitter.com/YEL1j62F9B
— ドクロバニー (@dokurobunny) September 5, 2015
お茶に適した水と言われた水で是非お茶をいただきたいものですね。
猿庫の泉に水をくみに
行ってきました(*´ー`*)
明日はお客様がいらっしゃるので
このお水でおもてなしを
させて頂きます(*´ー`*)
虫が飛んでて怖かったけど
無事頂くことが出来ました♡ pic.twitter.com/cKcpNgRSjt— *女王蜂* MARI (@mi28hachi) August 2, 2014
夏は避暑地の1つとして楽しめる場所ですね。水がとても冷たそうです。
名水百選に指定された猿庫の泉(飯田市)は、中央アルプスの南端の風越山の伏流水を源とし、茶人が探し求めた天下の名水。この名水を使って野点サービスを楽しみませんか。名水のお持ち帰りもできます。http://t.co/S1QZaHC3B3 pic.twitter.com/4rUVbHGC6Y
— 長野県観光機構 (@yokosonagano) May 15, 2014
苔と緑と水、全てがキラキラと光っていて、とても綺麗なお水が流れているのがわかります。
猿庫の泉の風景
天竜舟下りなう!
出典:FLICKR
大迫力な一枚ですね!風を切る天竜舟下りは、一度は体験してみたいことの1つです。
天竜ライン下りのりば Tenryu line down terminal.
出典:FLICKR
あじのある看板がワクワクさせますね。10kmほどの船旅が楽しめるそうです。
Tenryu River
出典:FLICKR
長野県から愛知県、静岡県を経て太平洋へと流れる広大な川です。
景観も空気も良い場所で、汲み立てのお水で珈琲なんて本当に贅沢な時間ですね。
近くに東屋があり、そこで飲むことができるそうです。
紅葉の季節には、色鮮やかなモミジを眺めながら美味しいお水が飲めます。紅葉狩りにも最適です。
アクセスマップ
どこで購入できる?
ミネラルウォーターとしては販売されていないようですが、猿庫の泉の水を仕込み水に使った日本酒は複数の蔵元で造られています。こちらは、お取り寄せにも対応しているところもあり、ネットショッピングサイトにて購入できます。
おわりに
猿庫の泉がある長野県南信州には体験型の観光スポットが多くあり、家族旅行にはぴったりの場所であると言えるでしょう。猿庫の泉を訪れる機会があれば、泉の水で点てたお茶をはじめ、名水を使った日本酒やそばなども味わってみてはいかがでしょうか。
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