万葉集にも登場する山口県岩国市には、桜井戸と呼ばれる名水があります。桜井戸はこの地域の灌漑用水として利用されているほか、お茶会などの水としても使われています。人々には古くから名水として親しまれ、生活の中でよく利用されてきました。
ここでは、桜井戸の名水としての特徴をご紹介します。
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どこで採水されている?
桜井戸の採水地は、山口県岩国市通津地区にあります。日本名水百選に選ばれているほか、井戸そのものと周辺の水路は、文化遺産にも指定されています。採水地には蛇口が備え付けられており、現地に向かえば誰でも採水することが可能です。
桜井戸の採水地へはJR山陽本線を利用し、通津駅で下車して徒歩5分ほどで辿り着くことができます。車で行く場合には山陽自動車岩国インターチェンジで降り、さらに30分ほど走れば辿り着けます。
名水の由来
桜井戸は古くからこの地域の人々や瀬戸内海を往来する船舶の飲料水として、また灌漑用の水として重宝されてきました。どんな干ばつでも枯渇することがなく、若水として飲めば長寿になれるという言い伝えもあります。
初代岩国藩主である吉川如兼が、有名な茶人である上田宗箇を招いたときに、宗箇は桜井戸の水を非常に気に入ったと言われています。それから大きな茶会を開催する際には桜井戸の水が使われるようになり、この習慣が現在でも地元で根付いています。
また、桜井戸は京都御所内にある「柳の水」と比べても遜色ない水と言われており、地元だけではなく他の地域からも水を汲みに来る人が多くいます。特に旧暦の8月15日の翌日には「水神祭り」と「観月お茶会」が開催されているため、多くの観光客で賑わっています。現在は文化遺産として大切に守られており、地元の住民たちが清掃活動などを行って桜井戸の水質保全に努めています。
ミネラル含有量と味わい
桜井戸の詳細なミネラル含有量は公表されていません。硬度は28.7mg/L で、pH値は6.5です。分類としては軟水にあたるため、すっきりした味わいであることが特徴です。
採水地周辺の観光地
桜井戸の周辺には錦帯橋や岩国城など、歴史的な観光スポットが点在しています。錦帯橋は錦川にかかるアーチ状の橋であり、もともとは川の対岸に住んでいる中下級武士が、藩政の中心である横山地区に渡るためにかけられたものです。アーチが連なる見事なフォルムは錦川の激流に耐えるため、当時の藩主であった吉川広嘉が「西湖志」をもとに考え出したと言われています。
岩国城は初代岩国藩主・吉川広家によって建てられた城であり、天守閣内は博物館として開放されています。内部の博物館では岩国藩所縁の史料を展示しているほか、企画展などが開催されることがあります。天守閣に登ると岩国の市内はもちろん、瀬戸内海の島々まで一望できます。
現在の天守は昭和期に再建されたものですが、天守閣の西側にある石垣に向かえば、当時の築城技術を垣間見ることができます。この城は日本百名城にも選ばれており、付近の中心的な観光スポットとなっています。
桜井戸の口コミ
角島やめて錦帯橋♪( ´▽`) pic.twitter.com/jXWb5fgjRk
— れおん (@LEON1296) January 8, 2017
錦帯橋は夜のライトアップが美しいです。世界遺産登録されると良いですね。
I'm at 岩国城ロープウェー 山麓駅 in 岩国市, 山口県 https://t.co/ydbppKJ1nT pic.twitter.com/2ynwcG3G4S
— 湘南☆浪漫【Rain Maker】 (@hirogoal) November 21, 2015
ロープウェイで向かう岩国城。お天気が良いと気持ちよさそうですね。
I'm at 岩国城 in 岩国市, 山口県 https://t.co/7hOmFDQxe6 pic.twitter.com/YE9598mFKc
— よいさん (@yoichanZ) November 20, 2015
ザ・お城!って感じです。岩国市の大人気観光スポットです。
桜井戸の風景
天守閣内は博物館として開放されています。山口県出身でなくとも歴史のお勉強にぴったりです。
水辺がいい感じです。夏場なら子供も大人も裸足間違いなし。
青い空とのコントラストが美しいです。
アクセスマップ
どこで購入できる?
桜井戸の水は、一般的な販売がされていません。ただし現地で採水することは可能であり、ペットボトルなどの容器を持参すれば、持ち帰ることもできます。
また、桜井戸の水を利用して栽培した「泥付き岩国れんこん」が採水地付近で販売されています。
おわりに
ここまで、山口県の名水である桜井戸について紹介してきました。桜井戸はお茶を嗜む人にとっては、特に魅力的な名水のひとつです。付近には当時の歴史を感じることができる観光スポットがあるため、より詳しい時代背景や雰囲気を知りたい方は、現地に訪れてみましょう。
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