神奈川県西部に位置する秦野市には、水無川、金目川、葛葉川などの清流が形成した扇状地があります。この扇状地にいくつも湧き出ている水は秦野盆地湧水群と呼ばれており、県内では名水として知られています。
ここでは、この秦野盆地湧水群の水としての特徴や、アクセス情報などについて紹介していきます。
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どこで採水されている?
秦野盆地湧水群は、扇状地の扇端部に湧き出ています。21箇所から湧き出ていることが分かっており、秦野盆地の地下水は箱根の芦ノ湖の水量を上回ると言われています。護摩屋敷の名水、弘法の清水、葛葉の泉、竜神の泉など、それぞれの湧水にはさまざまな名称が付けられています。
採水地へは、新宿から小田急線に約1時間乗り、秦野駅または渋沢駅を下車し、徒歩で向かうことができます。車の場合は東名高速秦野中井インターをおり、国道246号方面へ約5分走れば辿り着けます。
秦野市の灌漑や生活用水としても利用されてきたこれらの湧水は、1985年に日本名水百選に選定されました。この水を求めて訪れる観光客も多く見られ、観光資源としても認識されています。容器を持参すれば持ち帰ることもできるため、週末にはタンクやペットボトルを持って採水する人の列が見られます。
名水の由来
この地域は神奈川県唯一の盆地であり、縄文時代からその湧水を生活用水として利用していた痕跡が認められています。明治23年に函館、横浜に次いで全国3番目に近代水道として給水を開始した地域でもあり、地元住民は古くから水との関わりを大切にしてきました。
秦野駅からバスでヤビツ峠下車、徒歩15分ほどの林道にある護摩屋敷の名水は、昭和30年に大山や丹沢山などへの登山者のために造られた水汲み場であり、2か所の給水地に4か所の取水口があります。
他の有名な名水としては、秦野駅のすぐそばにある弘法の清水を挙げることができます。湧出量も豊富なこの名水は、弘法大師が杖をついた際に清水が湧き出た、という言い伝えからこの名称が付けられました。
また、水無川の上流にある竜神の泉の付近には竜の形をした岩があり、水をつかさどる竜神が宿っていると言われています。
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ミネラル含有量と味わい
秦野盆地湧水群の水には、ミネラル豊富が豊富に含まれています。分類としては軟水にあたり、まろやかで飲みやすい味わいとされています。湧水群のひとつである護摩屋敷の名水を例に挙げると、水の詳細なデータは水温12度、濁度0.1以下、pH7.6、硬度32mg/Lです。
後にご紹介する秦野市が販売する「おいしい秦野の水」は地下水100%の水道水であり、その栄養成分は以下の通りです。
成分表(1L)
pH値 | 7.6 |
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カルシウム | 20.7mg |
マグネシウム | 8.9mg |
カリウム | 0.7mg |
ナトリウム | 6.6mg |
採水地周辺の観光地
各湧水の周辺には、名水を利用して作られている酒やそば、うどんなどを提供している飲食店が点在しています。これらのグルメを目的として、現地に訪れる観光客も少なくありません。
湧水群のひとつである、浄徳院の名水の近くには菖蒲園があります。このスポットの園内にも、浄徳水や浄福水と呼ばれているふたつの水が湧き出ています。
丹沢山系を源流とする川の上流には黒竜の滝、不動の滝、ミズヒの滝などがあります。ハイキングコースも整備されており、週末にはハイキングを楽しむ女性客や家族が多く見られます。
弘法山から市内東部の鶴巻温泉までのコースをたどり、日帰り温泉に立ち寄るのもおすすめです。
秦野盆地湧水群の口コミ
https://twitter.com/tshige07/status/494848657233944577
街の中にあるので、通りすがりに飲む子どもたちの姿も見られます。
https://twitter.com/hasiyantw/status/640321189563383812
住民の方はポリタンクなどに汲んでいくそうです。
https://twitter.com/_Kazuhiro_EXR/status/587756471531634688
葛葉の泉はコーヒーに使うと美味しいと評判です!
秦野盆地湧水群の風景
護摩屋敷の水(丹沢名水)
出典:FLICKR
まろやかな味わいで、お茶や炊飯に使用すると美味しいと言われています。
竜神の泉
出典:FLICKR
標高390mの場所にあり、自転車でも行くことができます。
臼井戸 弘法の清水
出典:FLICKR
観光客も楽しめるように綺麗に整備されています。
すぐ脇には清流もあるので、散策も楽しめますね。
夏はここを基点として菩薩峠でトレーニングする人も。
それほど落差は無いですが、水量が豊富で見応えがあります。
アクセスマップ
どこで購入できる?
秦野の名水はインターネットで購入することが可能です。500mLのペットボトルが24本入った商品が販売されています。
おわりに
ここまで、秦野盆地湧水群について紹介してきました。日本全国にはさまざまな名水がありますが、その中でも秦野盆地湧水群は首都圏から比較的近く、歴史や自然などさまざまなものを満喫できる観光スポットでもあります。興味が湧いた方は、旅行のプランを立ててみましょう。
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