古来枯れたことがないと言われている「日本水」(やまとすい)は、子授けや不老長寿の霊水として広く知られており、この日本水を源のひとつとして風布川(ふうっぷがわ)が形成されています。
ここでは、風布川と日本水の由来や歴史、採水地の周辺情報などを紹介していきます。
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どこで採水されている?
風布川・日本水は、埼玉県の釜伏山(標高585m)の山頂近くにある「百畳敷岩」と呼ばれる大岩壁の割れ目から流れ出た湧水が源泉となっています。
名水のある一帯は森林が豊かで、風布川の清流の流れに沿うように、日本のみかん産地の北限として有名な小林・風布みかん山があります。
1985年には風布川・日本水として「名水百選」に選定されました。また、周辺の森林は「日本水の森」として林野庁が選定する「水源の森百選」に選ばれています。
【日本水源泉地へのアクセス】
車で:関越道・花園ICから国道140号を秩父方面へ、皆野寄居バイパス「寄居風布」より約10分。
電車で:熊谷から秩父鉄道で波久礼駅下車、徒歩約1時間40分。東武東上線、JR八高線の寄居駅からタクシーで約20分。
名水の由来
太古の時代、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征へと向かう折、戦勝を祈願して釜伏山中で剣を突き刺したところ、たちまち水が湧き出してきたとう伝説があります。
日本武尊がその水を口にしたところ、あまりの冷たさに一口しか飲めなかったところから、「一杯水」という別名でも呼ばれています。
古来より枯れることなくこんこんと湧き出ており、水源には「日本水大神」が祀られています。古くから干ばつ時には農民たちの雨乞いのもらい水として、また、不老長寿や子授け祈願にご利益がある霊水としてあがめられています。
ミネラル含有量と味わい
硬度は105 mg/l、pHは 7.6と中程度の軟水で飲みやすい水です。
蛇紋岩という特殊な岩壁の割れ目から湧出しているため、マグネシウムが100mlあたり1.9 mg、カルシウムも1.12 mgと豊富で、ナトリウムは 0.16 mgとミネラル分を適度に補給することができます。
臭みが取れてアクが出過ぎないため、鶏ガラや牛肉などの洋風だしを取る際、味を十分に引き出してくれます。
成分表(1L)
pH値 | 7.6 |
---|---|
カルシウム | 11.2mg |
マグネシウム | 19mg |
カリウム | – |
ナトリウム | 1.6mg |
採水地周辺の観光地
【夫婦滝】秩父鉄道波久礼駅から徒歩約10分
風布川の下流にある落差約3mの滝は、2筋の滝が寄り添うように隣り合わせていることから、夫婦滝と名付けられています。季節によってさまざまな姿を見せてくれます。
【鉢形城跡】東武東上線、JR八高線寄居駅から徒歩約15分
1476年(文明8年)、戦国時代の武将、長尾景春によって築城されたのが始まりと言われています。戦乱後、北条氏邦によって大規模な改修が行われ上野国支配の拠点となりました。
城跡一帯は鉢形城公園となっており、公園内には鉢形城歴史館があり、当時の文化や歴史を体感することができます。
【里の駅アグリン館】東武東上線、JR八高線・寄居駅から鉢形城公園経由で徒歩約40分
名水のある寄居町の農産物加工施設です。地元の小林・風布みかん山で栽培されたみかんを使った「みかんジュース」をはじめ、地場産のはちみつや生ゴマなど、特産品がそろっています。
風布川・日本水の口コミ
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が釜伏山に戦勝祈願の際、岩壁に剣を突き刺し清水が湧き出たそーな!あまりにも冷たくて一杯しか飲めないことから『一杯清水』と呼ばれてる
源泉まで行けなぃのが残念!日量は約5000㌧も湧出
出典:google+
源泉までは行けなくとも、おいしい水を求めて訪れる人が後を絶たないそうです。
昔は源泉まで歩いて行ったなぁ…今は岩場崩落で危険らしい
出典:google+
岩盤付近の安全が保証されないため、現在は源泉への立ち入りが禁止されてしまっています。
https://twitter.com/date3000/status/632469925035044864
風布川はニジマス釣りも楽しむことができます。
https://twitter.com/yukikazun/status/571707629023567872
風布川沿いの遊歩道は緑がいっぱいで自然を満喫できます。
https://twitter.com/1969kanegon/status/472595772563681280
浅いところであれば子どもたちの水遊びにもおすすめです。
風布川・日本水の風景
湧水は無料で飲むことができますが、量が少ないため販売されていません。現地に行って味わえる貴重な水です。
清掃を定期的に行っているからこそ、綺麗な水質を保つことができています。
アクセスマップ
どこで購入できる?
現在「日本水」は市場では販売されていませんが、源泉から2kmほどのところに取水場があり、無料で提供されています。源泉のある岩盤付近は崖崩れの危険があるため、近年では立ち入り禁止になっています。
おわりに
古代より絶えることなく湧き出る神秘的な霊水「日本水」と、その水を源とする「風布川」について、採水地の特徴や由来、アクセス情報などを紹介してきました。
訪問の際には、日本水の森で森林浴やハイキングも合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。体を動かした後の名水は、より味わい豊かなものとなるでしょう。
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