名水地の中には古くから信仰されている地も存在しており、十王村もそのひとつです。十王村で採水される水は現代でも飲用に適しているため、付近の住民の貴重な生活用水としても機能しています。
ここでは、この十王村の水 (じゅうおうむらのみず)の特徴や歴史などについて紹介していきます。
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どこで採水されている?
十王村の水は滋賀県の彦根市内で採水されています。ただし、十王村は水源地付近のかつての地名であり、現在では十王村は地図上に存在しておりません。この水は犬上川の伏流水で、古くから「湖東三名水」のひとつとして数えられていました。
1985年には環境省の「名水百選」にも指定されており、その水質は現代でも良好な状態と言われています。南彦根駅から徒歩約15分、西今バス停から徒歩約1分というアクセスの良さもあり、観光客が採水のために訪れることも少なくありません。
名水の由来
十王村の水の水源では神様が祀られており、毎年祭りも行われています。元々は母乳が出ない女性が十王村の水を飲んだところ、たちまち母乳が出るようになったという言い伝えから、この水は名水として認識されるようになりました。このような背景があるため、地元では「母乳の地蔵様」が信仰されています。
現代でもこの水が飲用に適しているのは、地元住民の努力の功績です。地元住民は水源地近くを清掃するなど、綺麗な水質を守るための活動を長年にわたって続けてきました。現代でもその活動は続けられており、利用者に対しても環境保全のためマナーを守るよう呼びかけています。
採水地は石の柵に囲まれており、その池の中央には地蔵菩薩が祀られています。
ミネラル含有量と味わい
十王村の水の硬度は、1リットルに含まれるミネラル分が約56〜63mgと硬度が高くない軟水であり、水温も約14度と飲用に適しています。
主な成分に関しては明らかにされていませんが、すっきりとした味わいが特徴と言われています。最近では飲料水としてだけではなく、酒作りなどにも使用されています。
採水地周辺の観光地
十王村付近の観光地として有名なのは、彦根城です。彦根城は国宝に指定されている天守であり、金亀城とも呼ばれている名城です。十王村からは3.5kmほどの場所にあるため、彦根城を観光するついでに十王村に訪れる方もいます。
他にも、夢京橋キャッスルロードや玄宮園など、十王村付近には彦根市の観光名所が点在しています。彦根の古い街並みを堪能できる観光名所が多く、毎年多くの観光客が訪れます。
十王村の水の口コミ
彦根市の住宅街を走ってると突如現れる湧水処「十王村の水」。けっこうゴンゴンと噴出してます。味はまろやかでいい具合にヒンヤリ。他に人がいないのをいいことに顔やら腕やらザブザブ洗いまくってスッキリさせていただきました。 pic.twitter.com/wziPJ9rKzR
— MA2 (@adrenalindd) July 20, 2015
勢いよく水が湧いているそうです。
おはようさん!
今朝は元旅人のきしころさんの家からスタート。
現在は彦根にある日本百名水の「十王村の水」で休憩してます(*´∀`) pic.twitter.com/qBEnf8Foan— カズオ (@kazuo_0904) July 10, 2015
母乳が出なかった母親が水を飲んだことで出るようになったという伝説があるお水です。
彦根の名水百選「十王村の水」
げっとぉ〜( ̄▽ ̄) pic.twitter.com/Myhx0fzch9— るーちん (@rootin902) July 6, 2014
夏は足元も涼しいです。
十王村の水の風景
十王村の水2
出典:FLICKR
美味しいお水でお酒も割るとまた格別ですね。
十王村の水
出典:FLICKR
まろやかでひんやりとしたお水です。
左手にある石の階段を降りると水が飲める場所に行けます。
十王村の水をのんで日本の名水巡りにはまった方が続出しています。
アクセスマップ
どこで購入できる?
ネラルウォーターとしての市販はされていません。この水を味わうためには、現地に言って水を汲む必要があります。
おわりに
ここまで、十王村の水について紹介してきました。水質保全への地域住民の努力がなければこの名水は現代では存在していなかった可能性があり、水質保全のためには利用者のマナーも重要となります。無料で採水できるため付近を観光する際に手軽に訪れることはできますが、利用する際にはしっかりとマナーを守り、地域住民の努力を無駄にしないように心がけましょう。
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