北海道には支笏湖を源流とする千歳川の支流、十二河川が流れています。その中のひとつにナイベツ川湧水(ないべつがわゆうすい)があり、北海道の名水として千歳市の西郊を流れています。特に春から秋にかけては、この名水を求める人々や家族連れなどが、この地を訪れて賑わいを見せています。
ここでは、ナイベツ川湧水について詳しく紹介していきます。
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どこで採水されている?
千歳市は、空の玄関口とも呼ばれている新千歳空港で有名な町です。遠方からのアクセスが便利であり、豊かな自然と触れ合うことができます。ナイベツ川湧水は、1985年に名水百選に選定されました。
水量がとても豊富であるため市内の上水道に利用されており、千歳市民の生活に欠かせないものとなっています。
ナイベツ川源流域には「ウサクマイ遺跡群」があり、水源域は保護区となっています。このため天然原水を採水することはできませんが、ナイベツ川下流に整備された「名水ふれあい公園」で塩素処理された名水を採水することができます。公園内には、湧き水の噴出し口が整備されており、その水汲み場から採水や飲水が可能です。
名水ふれあい公園(千歳市蘭越4)には、無料駐車場が設けられているため、車でのアクセスも可能です。市街から車で支笏湖方面へ向かう道道16号線に入った後に、約5km走れば左手に見えてきます。また、支笏湖行きのバスがJR千歳駅に隣接されているバスターミナルから出ており、千歳桂病院前で下車すると、そこから徒歩約5分で辿り着けます。
名水の由来
支笏火山灰台地から湧き出すナイベツ川の歴史は、42,000年前の支笏火山噴火に遡ります。全長2.5kmと短い河川ながら、千歳川の合流地点までに確認されている湧水地点は60数箇所にのぼります。その水質は、選定当時から変わらず良好な状態を保っています。
ナイベツ川という表記は名水百選での表記名であり、一般的には「内別川」と書きます。また、古くは「苗別川」(なえべつがわ)とも言われていました。
アイヌ語が語源の河川名が多く存在する千歳市ですが、ナイベツ川も同様にアイヌ語で「沢の口」を意味する、nay-pu(ナイプツ)が語源となっています。
ミネラル含有量と味わい
硬度は約18mg/Lであり、軟水にあたります。pH値は7.0の弱アルカリ性です。
ミネラル含有量はそれぞれ、100mLあたりカルシウムが4.9mg、マグネシウムが1.7mg、ナトリウムが5.5mg、カリウムが1.8mgです。和食やコーヒー、お茶などに適しており、自然な甘みを含んだすっきりとした味わいです。
成分表(1L)
pH値 | 7.0 |
---|---|
カルシウム | 49mg |
マグネシウム | 17mg |
カリウム | 18mg |
ナトリウム | 55mg |
採水地周辺の観光地
採水地でもある名水ふれあい公園は、4月の下旬から11月中旬までが開園期間となっており、入園は自由です。公園内の散策路が美しく、少し立ち寄ってみるだけでも心が癒される空間となっています。
採水地周辺には、ナイベツ川の源でもある支笏湖があり、観光スポットとしても有名です。冬でも凍らない日本最北の不凍湖で、湖底を見ながら楽しめる水中遊覧船や、支笏湖で獲れるヒメマス(別名チップ)料理が食べられるお店が並んでいます。他にも遡上するサケの捕獲が見られる「インディアン水車」や、ショッピングが楽しめる「千歳アウトレットモール・レラ」があります。
千歳アウトレットモール・レラのすぐ側にある駒そば亭では、千歳で採れた蕎麦の実と千歳のおいしい水で作られたお蕎麦を味わうことができます。また、市内にはラーメン店が多く、ラーメンを目的に訪れる観光客も少なくありません。
ナイベツ川湧水の口コミ
水辺の散歩では、間近で魚が泳いでいる姿を観察できます!
アクセスマップ
どこで購入できる?
ミネラルウォーターとしての市販はされていません。この水を味わうためには、現地に言って水を汲む必要があります。
おわりに
1985年に名水百選に選定された支笏湖を源流とした「ナイベツ川湧水」をご紹介しました。支笏湖は冬でも凍らない日本最北の不凍湖としても有名で、水中遊覧船やヒメマスを使った名物料理を食べれるお店、アウトレットなどがあります。興味のある方は、是非、北海道の雄大な自然とナイベツ川湧水の水を体験してみてください。
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