六郷湧水群(ろくごうゆうすいぐん)は奥羽山脈と出羽山地に挟まれた盆地に存在しています。奥羽山脈を貯水源として、大小河秋田県の街中に豊富な水が湧き出しています。
ここでは、この六郷湧水群の特徴やアクセス情報などについて紹介していきます。
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どこで採水されている?
六郷湧水群は昭和60年に環境庁から全国名水百選に選定され、平成7年には国土庁の水の郷に認定されました。また、水源の森百選、甦る水百選、遊歩百選などにも認定され、湧水群が存在する美郷町は水の5冠の街として知られています。
秋田県美郷町には奥羽山脈を水源とする小河川が扇状地を形成し、その扇状地ある六郷に清水が湧出しています。昔は水量が豊富なことから百清水と呼ばれていましたが、現在は湧水量が減少して60余りになりました。
採水地の最寄駅は、JR奥羽本線の大曲駅です。その後、羽後交通バス横手行きに乗車し、上町を下車して徒歩5分ほどで辿り着けます。車で行く場合は、秋田自動車道大曲ICから国道13号線を横手に20分程度で到着します。
美郷町では観光情報センターで事前予約すると、六郷エリアの湧水を案内してもらえるサービスや、降雪期以外はレンタルサイクルのサービスも行っていますそれぞれの湧水は現在でも生活用水として使われており、野菜を冷やしたり洗ったりするほか、足を入れて涼を味わえるところもあります。
観光スポットというよりも、地元住民の生活に溶け込んでいる湧水です。そのため、それぞれの採水地で指定されている用途に従って、利用することが大切です。
名水の由来
六郷の湧水群には、それぞれの湧水に名前と由来があります。たとえば、有名な藤清水は、佐尾久右衛門の別荘があった地に存在している湧水です。学者でありながら、京都一の琵琶の名手であった佐尾休冠の甥にあたります。この地に佐尾家の蔵が3つあったことから、当時は三蔵清水と呼ばれていました。石畳が敷かれ、当時から水辺には藤や杉などの木々が立ち並んでいました。現在は藤棚の見事さから、藤清水と呼ばれています。
また、ハタチや清水は太平洋戦争後に、この清水の周辺に「ハタチや」という店が酒類などの店舗を出していたことから、名称が付けられました。酒店敷地内にある清水であり、現在ではこの水を使って販売する酒類やサイダー、ジュースなどを冷やしています。夏でも水温が低く、透き通った綺麗な清水です。
このように六郷湧水群は昔から美郷町の人々の生活に密着し、親しまれてきました。それぞれの湧水を巡り、その歴史に触れると地域の人々の暮らしを垣間見ることができます。
ミネラル含有量と味わい
それぞれの湧水の水質については詳しく分かっていませんが、中でも有名な藤清水の水質をご紹介します。水温は13.6度であり、塩素14.1mg/L、硝酸性窒素1.4mg/L、ナトリウムイオン9.7mg/L、マグネシウムイオン3.2mg/Lが含まれています。
pHは6.0であり、口に含むと喉越しがよく、まろやかな味わいです。
成分表(1L)
pH値 | 6.0 |
---|---|
カルシウム | – |
マグネシウム | 3.2mg |
カリウム | – |
ナトリウム | 9.7mg |
採水地周辺の観光地
美郷町にはラベンダー園があり、初夏の頃に2ヘクタールの広大な敷地に咲くラベンダーは圧巻です。期間中はラベンダーアイスやラベンダーグッズも多数販売されています。美郷まんま、美郷たぬ中などご当地グルメの露店や特産品のお店も出店されており、週末にはイベントも開催されます。
ラベンダー園の近くにはバーベキューが楽しめる芝生広場、子どもたちが思い切り体を動かせる冒険広場なども整備されています。そのため、休日になるとラベンダー園には多くの親子連れが訪れます。
また、湧水群から山間部に車で10分ほど走ると温泉もあり、奥羽山脈を眺めながら露天風呂を楽しむことができます。ここの温泉は全国屈指のカルシウム含有量であり、肌がしっとりする水質が特徴です。リーズナブルな料金で隣接のバンガローやコテージに宿泊することができ、家族や友達同士の旅行にぴったりです。
六郷湧水群の口コミ
七十余の湧水群を護る六郷(秋田県美郷町)の御台所清水を写す。昨日は雨が降っていましたが、今日は天候に恵まれました。 pic.twitter.com/P9UznDANmc
— 廣瀬俊介 (@Shun_Hirose) July 17, 2014
町内各所に湧水群があるので、散歩しながら周ることができます。
秋田においでよ 名水百選「六郷湧水群」 pic.twitter.com/Xkt24TCdFj
— かなっぺ@呑ものフレンズ (@TNB38K) August 22, 2015
ここの水は飲み物やジェラート、日本酒にも使われています。
六郷湧水群。こちらは住民によって守られている名水百選なんだろうなと。生活に密着した湧水。 pic.twitter.com/qRPkPD0ywO
— よるお (@0115nori) July 27, 2014
地元民はこの湧き出る清水で野菜や飲み物を冷やすなど、今でも生活の一部になっています。
六郷湧水群の風景
水がキレイに透き通っているのがよくわかります。さらさら流れる音が清涼感にあふれています。
御台所清水と呼ばれる地元の生活に密着した湧水です。
この湧水を使用したニテコサイダーが大人気です!
アクセスマップ
どこで購入できる?
六郷有水群の水は現地でもネットでも販売されていません。ただし、湧水群の中のニテコ清水の水を使ったニテコサイダーや名水豆腐などが販売されています。ニテコ清水の近くにある飲食店で、その豆腐を使った豆腐懐石や流し素麺を味わうことができます。
おわりに
六郷の住民たちは昔から、湧水群と共に生活していました。飲み水としてはもちろん、洗濯や天然の冷蔵庫として今でも活用されています。水が六郷の町や産業、文化を育み、人々の生活を支えてきました。湧水群はこの地域に暮らす人々にとって貴重な財産となっています。
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