湧水量はそれほど多くありませんが、秋田県の力水は市街地中心部で採水できる名水として、地域に根ざしています。ここでは、多くの人々に愛されている力水(ちからみず)の特徴や由来、周辺の観光地についてご紹介します。
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どこで採水されている?
力水は秋田県湯沢市の中央公園内にあります。この水は、昭和60年(1985年)7月に環境庁の日本名水100選に選ばれたほか、良く整備された周囲の環境が評価され、平成2年(1990年)には建設省の手づくり郷土(ふるさと)賞30選にも選ばれました。
水は年間を通して湧出しており、この清水でいれたお茶は特別にうまいと、現在も水をくみに訪れる人が絶えません。公園内では春から秋にかけて、季節折々の花が見られます。
JR奥羽本線湯沢駅から徒歩でおよそ10分、または、乗用車を利用して湯沢横手道路湯沢ICから市役所方面へおよそ5分で訪れることができます。
名水の由来
元和6年(1620年)に徳川幕府が一国一城制を敷き、佐竹南家が現在は市役所のある場所に館を建てたときから、佐竹南家の御膳水として明治25年(1892年)頃までおよそ270年もの間使用されていました。
力水の名前の由来には、近隣の人たちによって愛飲されていたところ、この水を飲むと力が出るという話が広がり、力水の石碑が建てられたという説や、古館山のふもとから湧き出ている水を、「これを飲めば、体に力がつく」と殿様が愛飲されたことから、「力水」と名付けられたという説があります。
ミネラル含有量と味わい
力水は一年を通して、湧出量は毎分約11L、水温13度前後と安定しています。水質も良好な状態を保っており、現地での飲用もペットボトル等での持ち帰りもできます。硬度38.8mg/Lの軟水で、ナトリウム、カリウムが豊富です。
採水地周辺の観光地
湯沢市内には季節の花やイベントが楽しめる観光スポットがあります。春は桜の名所として知られる前森公園がおすすめです。市街地の北端に位置する公園には、およそ200本のソメイヨシノが植えられています。さくらまつりの時期には夜桜のライトアップを楽しめます。
5月初旬から中旬には千年(ちとせ)公園で藤まつりが行われます。この地では、はかなく悲しい能恵姫伝説が語り継がれており、公園内の卵井戸には、姫の守り神とされている38個の卵石が今も眠っています。
鹿島様と呼ばれる岩崎地区三町内に数百年前から伝えられている高さ4mほどのわら人形周辺では、現在も春と秋年2回の衣替えに合わせて、家内安全や豊作を願う、鹿島まつりが行われています。この鹿島様は2000年の歴史を有する日本の稲作農業がもたらした文化の一芸術として民俗資料として高く評価され、1986年にはアメリカ・スミソニアン協会主催によるフォークライフ・フェスティバルに招かれました。佐倉市の国立歴史民俗博物館にも納められています。
8月下旬から10月下旬には、世界ダリア園で約230種2000株の彩り豊かな世界各地のダリアが咲き誇ります。
力水の口コミ
I’m at 力水 in 湯沢市, 秋田県 https://t.co/CBou4hAh1a pic.twitter.com/YnRe1L3kGK
— Y氏@ダイエット強化週間目指せ-10kg (@adsl24m) 2015年5月3日
タンクやペットボトルに汲みに来る方も多いそうです。
秋田県・湯沢市。かの有名な「力水」。日本名水百選に入っているらしい。市街地のど真ん中にある。 pic.twitter.com/1c1iz4ZkMD
— Kari Sinanen (@kari_sinanen) November 15, 2013
力水の伏流水を使用した純米酒は絶品なのだとか。
力水の風景
市民にも重宝されていて、地元民の方もこれを汲みにたくさん集まってきます。
暑い夏でも冷たい水が飲めるので、お散歩中の給水スポットですね。
どこで購入できる?
湧水量が少なく、残念ながら市販はされていません。通信販売で取り寄せることができる「力水」という商品は複数販売されていますが、いずれも、秋田県湯沢市の名水力水とは産地が異なります。
アクセスマップ
おわりに
ここまで、秋田県の名水「力水」いついてご紹介してきました。手づくり郷土賞30選にも選ばれているこの地域は、中央公園愛護会や地域住民、行政が協力して、美化保全活動が積極的に行われています。お取り寄せこそできませんが、採水場は市街地中心部にあるため足を運びやすい立地にあります。観光も兼ねて足を運ばれてはいかがでしょうか。
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