栃木県にある名水のひとつに、尚仁沢湧水(しょうじんざわゆうすい)があります。この名水の採水地には毎日多くの人が名水を求めて訪れており、一日に65,000トンもの豊富な水の恵みが人々を迎えています。ここでは、尚仁沢湧水の特徴や周辺の観光地などについてご紹介します。
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どこで採水されている?
尚仁沢湧水は、栃木県塩谷町と矢板市の境界付近の高原山(釈迦ケ岳)山麓の標高590メートルの場所にあります。周辺はブナなどの広葉樹の原生林で、林の中の、水あめを流したかの様とも例えられる清流をたどっていくと、木立の中に忽然と川の流れが始まるという不思議な光景を目にすることができます。年間通じて11度前後と一定の温度を保っている伏流水のため、冬季でも渇水や凍結することはなく、夏季には涼しさを感じさせてくれます。
昭和60年(1985年)に環境省選定名水百選に選ばれただけではなく平成9年(1997年)には全国37都道府県から集められたおいしい水の中で全国第一位の認定を受け、その後も常に上位にランクインしています。
採水地へは、JR東北本線矢板駅から新高徳駅行きバスに乗り、塩谷町役場前で下車し、タクシーでおよそ20分走れば訪れることができます。また、車では、東北自動車道矢板ICから25分です。
名水の由来
山岳仏教が盛んだった奈良時代には、信者たちが高原山に登拝する際に、この尚仁沢の湧水で身を清めたと伝えられています。 この「尚仁」の名は、「精進」に由来すると言われています。
ミネラル含有量と味わい
水質は天然のアルカリイオン水で、冷たく軟らかい口当たりと淡白で清涼感ある癖のない味わいが特徴です。硬度は平均23.0mg/Lの軟水であるため、コーヒーやお茶、水割り、そばうち等に適しており、おいしい水として全国1位に認定されたことがあるように、広く好まれる味わいだと言えます。
採水地周辺の観光地
尚仁沢湧水が流れる山麓は、5月初旬に新緑の、10月下旬には紅葉のシーズンを迎え、圧倒されるような美しい景観が楽しめます。
尚仁沢の上流に広がる「イヌブナ」の群生林は、緩傾斜地に群生するイヌブナとしては全国的にみても数が少なく、平成18年(2006年)に国天然記念物に指定されています。中心部の幹が枯れると、その外側に派生する新芽が成長してその幹が肥大生育するため、独特の景観と特徴を持ちます。
尚仁沢湧水付近の東荒川ダムのほとりにある名水パーク内では、11月に収穫祭、12月にクリスマスイベントが実施されます。
塩谷町を流れる鬼怒川には毎年ハクチョウが飛来し、東荒川上流に広がる「紅葉谷」には樹齢200年の大木もあり、新緑・紅葉シーズンは絶景が楽しめます。モリアオガエルの生息地ともなっている、東古屋湖の上流にある隠れた名所「大滝」のベストシーズンも、春の新緑と秋の紅葉の時期です。
尚仁沢湧水の口コミ
日本一の名を冠する水が湧いているとあったので、行ってみました。
駐車場から湧水までは徒歩で山道を行きます。
しかしその日は天気が悪い…
雨粒こそ落ちていないものの、アヤシイ雲行きから時折雷鳴が。
栃木の雷は激しくて有名なので、山道は途中で断念し、公園へ。公園には売店もあり、湧水から直接引いているという水飲み場で水を汲むことができたので、そこで水をいただきました。
本当にバランスの取れた完璧な水、という感想です。湧水といえど、大抵何かしらの雑味があるものですが、何度含んでも完全に丸いという印象しか受けませんでした。
こんな水は初めてです。評判は伊達ではなかったです。
出典:google+
山道は引き返す人も多いほどの長い道のりのようですが、辿り着いた先の湧水の美味しさは格別です。
定期的に行っていますが、夏場では持ち帰った水は1ヶ月近く飲めました。(自己責任で・・。)心配であれば沸かして保存したらいいです。
出典:google+
ペットボトルや水筒で水を汲み持ち帰る人もたくさん訪れます。
公園内には食堂や土産物屋がある施設もあります。
良い景色が見られたりするので、そちらがお好きな方にもオススメでしょう。
出典:google+
湧水までの遊歩道は山の景色も楽しむことができます。
本日は有休。朝はちょっと天気が悪かったけど、昼ぐらいから日が差してきたので、カメラを持ってお出かけ。思い切って先日会社のカメラ好きな人に聞いておいた「近場であまりハードアウトドアじゃないオススメ」な『尚仁沢湧水』に行ってきた。 pic.twitter.com/0M61fZupQL
— ファレル (@Pha_notos) November 30, 2015
湧水地は山の大自然を体感できてとても気持ちの良い場所です。
尚仁沢湧水に行ってきました。山登りー(*^^*) pic.twitter.com/uFct5K9Vjf
— Asuka_Laurent @復活 (@asuka_laurent) November 11, 2015
晴れた日だと木漏れ日が差し込んでさらに幻想的です。
栃木県塩谷郡塩谷町、尚仁沢湧水群。
マイナスイオンで癒されました^_^ pic.twitter.com/WZafgVtvD3— RYU (@Godrachen) November 7, 2015
一見川のようにも見えますが、山のあちこちから湧き出した湧水です。
尚仁沢湧水の風景
栃木県塩谷町 尚仁沢
出典:FLICKR
水の勢いが伝わってきます。見ているだけで涼しくなりますね。
栃木県尚仁沢湧水
出典:FLICKR
清涼感たっぷり。水の流れが幻想的です。
栃木県 塩谷郡 塩谷町
出典:FLICKR
緑と湧水のコントラストが綺麗ですね。
朝日が差し込む様子に癒やされます。
マイナスイオンをたくさん浴びられます。空気も澄んでます。
湧水の近くは寒いくらいの涼しさのようです。
アクセスマップ
どこで購入できる?
塩谷町の給水スタンドでは、100%天然水製造の「尚仁沢湧水」が業者向けに販売されています。また、一般向けには名水パーク内等のお店で購入できる他、インターネットでも500mL入りペットボトルの24本セットや2L入りペットボトルの6本セットにてお取り寄せができます。
おわりに
ここまで、尚仁沢湧水の特徴や周辺の観光地などについてご紹介してきました。自然の姿を守るために遊歩道が整備され、地元の「高原山の自然を守る会」等の協力を得て積極的に保全活動を推進する計画が進められています。地元の人たちの努力によってこの美しさが守られているといっても過言ではありません。採水に訪れた際には、名水を楽しみつつ遊歩道を散策してみてはいかがでしょうか。
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