本州の最北端に位置し、雪深く豊富な自然があるというイメージが強い青森県。その青森県に「渾神の清水」という名水があります。この名水は由緒正しい霊泉として、地元の人々によって守られてきました。
そんな渾神の清水には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは渾神の清水の成分や、アクセス方法などをご紹介します。
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どこで採水されている?
渾神の清水は青森県平川市にある湧水です。矢捨山の麓に湧いており、現在は石作りになっている湧水口から水が湧き出ています。その水は非常に清らかなことで知られ、地元の人々の農業用水や飲料水として利用されており、日本名水百選にも選ばれています。
渾神の清水の採水地へは、循環バスに乗って芦毛沢温泉前で下車したあと、15分ほど歩けば辿り着けます。車の場合は、東北自動車道の大鰐弘前インターチェンジで降り、30分ほど走れば到着します。
名水の由来
渾神の清水は平安時代の武官である、坂上田村麻呂所縁の名水です。かつて坂上田村麻呂が東夷征伐でこの地を訪れた際に、眼病を患ってしまいました。その後、ある夜にこの地の神様が坂上田村麻呂のもとへやってきて、「もっと奥に行くと清水がある。それで目を洗えば眼病が治る」と告げました。
そこで坂上田村麻呂は谷を登っていきましたが、なかなか清水を見つけることができませんでした。そこで現在渾神の清水のある辺りでお祈りをしたところ、烏帽子が飛んできてそこから水が湧き出てきました。その水を使って目を洗ったところ眼病が治ったことから、この水は眼の神と呼ばれ、それが転じて渾神の清水と呼ばれるようになりました。現在でも坂上田村麻呂の伝説に倣って、眼病に悩む人が多く訪れています。
また、昔は山越えをする人々が喉を潤すための水としても重宝されてきました。現在でも地元の人がお茶や水割りを作るために、この名水を汲みにやってきます。渾神の清水を守るために、地元の人々が定期的に清掃活動を行い、水質保全に努めています。
ミネラル含有量と味わい
詳細なミネラル含有量は公表されていません。硬度は23.5mg/L、pH値は7であり、中性で真水に近いタイプの超軟水です。水は通年13.5度と冷たく、無味無臭でさっぱりとした味わいです。
採水地周辺の観光地
渾神の清水周辺は現在、小公園として整備されており、観光客も多く訪れるスポットになっています。また、周辺には猿賀神社や、道の駅いかりがせき津軽「関の庄」といった観光スポットがあります。
猿賀神社は田道命を祀った神社であり、渾神の清水の伝説で知られる坂上田村麻呂所縁のスポットです。坂上田村麻呂が東夷征伐に出かけた際、敵の抵抗に遭って苦戦しました。その時かつて東北征伐に向かって命を落としたものの、後に大蛇となって乱を平定した田道命の霊感を受けて、大勝したと言われています。そのため、坂上田村麻呂はこの地に田道命を祀った猿賀神社を作りました。猿賀神社は蓮の群生地としても知られており、季節になると多くの人が蓮を見物しに訪れます。
道の駅いかりがせき津軽関の庄では、この地方のさまざまな特産品が揃えられています。特産品特売所では、自然薯などの農家直送の農産物を取り扱っています。
また、ここでは食事や温泉も楽しむことができます。資料館もあり、江戸時代のこの地方の様子などを知ることも可能です。旅行の際のお土産を購入するのに向いています。
渾神の清水の口コミ
目神の清水とも呼ばれ、眼の守護神として崇められてきたようです。
不思議な効能がある水として守られてきた霊泉です。
湧水池としては珍しい、円の形をした湧水場所です。
渾神の清水は、一般的に販売がされていません。
飲用は可能ですが、生水でそのまま飲むことはできないため、飲む際には煮沸消毒をする必要があります。水が濁っている場合もあるため、その際には飲むことを控えることが推奨されています。
アクセスマップ
どこで購入できる?
おわりに
渾神の清水は坂上田村麻呂所縁の霊験あらたかな名水として、現在も多くの地元の人々に崇められています。眼病に効果があるという神秘的な水、ぜひ1度味わいに行ってみませんか。
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