日本全国にはさまざまな名水地がありますが、中には景勝地としても知られている名水地も存在します。今出川清水はその代表的な例であり、採水地付近の景観が良いため、多くの観光客が訪れます。
ここでは、今出川清水の特徴や、アクセス情報などについて紹介していきます。
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どこで採水されている?
今出川清水の採水地は、広島県安芸郡府中町にあります。地元の人からは「東川の泉」とも呼ばれ、多くの自然に囲まれています。今出川清水の水源には2つの説があり、一つは水分峡から浸透した地下水であるという説で、もう一つは太田川の支流である榎川の伏流水であるという説です。
今出川清水の採水地から一番近い駅は広島駅です。広島駅から広電バス大須経由温品4丁目行に乗り、約15分で最寄りのバス停である本町4丁目に辿り着きます。本町4丁目のバス停からは、採水地まで徒歩5分ほどです。
今出川清水は1985年に名水百選のひとつに選ばれています。また、自然の景観が良かったことから、府中町指定の名勝にも指定されています。
名水の由来
今出川清水は古くから地元住民に大切にされており、使用にあたっては細かな規則が決められていました。付近には水天宮が祀られており、地元住民は今出川清水を信仰しながら生活用水として利用してきました。
今出川清水を採水できる場所は複数ありますが、湧水が出てくる岩の下の水は飲み水として利用され、その次の囲いは米や野菜などの食材を洗う水場として利用されていたようです。また、最後の広い囲いに関しては、洗濯用とされていました。
以前は水量、水質ともに問題はありませんでしたが、現在は水量が減ってきており、水質も飲用には適していないとされています。しかし、現代でも地元住民によって定期的に清掃活動が行われており、再び飲用できるようにするための努力が続けられています。
ミネラル含有量と味わい
今出川清水の平均硬度は1リットルあたり約60ミリグラムから61ミリグラムとされており、水温は一年を通して約17度です。しかし、道路整備や水量の減少、大腸菌が検出されたことなどによって、前述の通り現在では飲用することができなくなりました。
採水地周辺の観光地
今出川清水の採水地周辺は古くから人が多く住んでいたため、田所明神社や府中町歴史民俗資料館など、歴史的スポットが多く点在しています。また、今出川清水から1.2キロメートル離れている水分峡には多くの観光客が訪れ、季節によって異なった景観を楽しむことができます。付近にある水分峡森林公園では無料でキャンプを楽しめるため、休日には子連れの家族などで賑わいをみせています。これらの観光スポットは自動車があれば広島駅から30分程度で向かうことができるため、県外からの観光客だけでなく、広島県民も多く訪れています。
娯楽施設であるマツダミュージアムも、今出川清水周辺で有名なスポットのひとつです。マツダミュージアムではスポーツ観戦もできますが、事前に予約しておけば本社の工場を見学することも可能です。
今出川清水(出合清水)の口コミ
安芸国造家田所氏の田所明神社で御朱印待ち中。田所氏の家紋は厳島神社から海を渡る神使の鹿(かっこいい)。神代の家系が今も続いています。 pic.twitter.com/UG6utOZo3b
— 新井あずき (@busaik) March 22, 2015
飽速玉命を主祭神に七柱の神を守護神として祀っている田所明神社(たどころみょうじんしゃ)です。
アクセスマップ
どこで購入できる?
今出川清水は飲用や加工に適していない水質であるため、現在では一般の方が購入することはできません。お酒などの仕込み水としても利用されていませんが、清掃活動が続けられているため、今後水質や水量などの問題が改善されていく可能性はあります。
おわりに
ここまで、広島県の名水である今出川清水について紹介してきました。今出川清水は、現在では飲用することができないものの、付近の景観や歴史などを楽しむことは可能です。採水地は今でも残されているため、周辺の観光地を訪れる際に、今出川清水にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
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