智積養水(ちしゃくようすい)は三重県にある灌漑施設であり、現在でも人々の生活に密着し、地元の人々に重宝されています。現在ではその水の美しさが話題となり、三重県の有名な観光スポットのひとつになっています。この名水は鯉が泳ぐほど綺麗な水と比喩されることもあり、綺麗な水を見ることを目的として訪れる観光客も少なくありません。
今回は、この智積養水の成分や周辺の観光情報などについて紹介していきます。
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どこで採水されている?
智積養水の採水地は、三重県四日市市智積町にあります。最寄り駅は近鉄湯の山線の桜駅であり、この駅から徒歩3分ほどで辿り着くことができます。昭和60年には名水百選にも選ばれており、現在では主にこの地方に住んでいる人の稲作などに利用されています。
智積養水は隣町である三重郡菰野町神森の蟹池から、用水路を使って引き入れられています。その全長は1784m、幅は1mから2mほどです。
名水の由来
智積養水のある四日市市智積町は、昔から農業用の水不足が深刻な土地でした。そのため、人々は稲作を行う水を確保するために、さまざまな灌漑を行ってきました。
智積養水が作られた時期は定かではありませんが、その存在が初めて確認されるのは1711年の書物です。書物には四日市陣屋代官の石原清左衛門正利が、智積養水に水を汲み込むための三十三間筒を官費で伏替えたとあります。
智積養水には昭和30年代まで水車がいくつかあり、それを利用した精米も行われていました。その後も農業用水としてだけでなく、顔を洗ったり米を研いだりする生活用水、火事などが起こった場合の防災用の水としても重宝されてきました。このように智積養水は人々の生活に密着した水だったため「用水」ではなく、人々を養う水として「養水」と呼ばれるようになりました。
しかし、高度経済成長期に水道が普及したことによって、智積養水は生活用水として使われなくなりました。またそれに伴い、汚染も進んでいきました。
その後汚染されてしまった智積養水を守ろうと、地元の有志が立ち上がり、智積養水の清掃や鯉の放流など智積養水の水質保全に努めるようになりました。現在もこの活動は行われており、農業用の貴重な水として人々の生活を支えています。また「鯉の住む町」として同地域の観光名所のひとつにもなっています。
ミネラル含有量と味わい
ミネラル含有量は公表されていません。基本的には飲用ではないため、ペットボトルなどに入れて持って帰ることもできません。
採水地周辺の観光地
智積養水は1784mの長さがありますが、その中でも西勝寺前の鯉が泳ぐ水路は人気の観光スポットになっています。透明度が高く美しい水の中を泳ぐ鯉と寺の山門は、日本の風情を感じさせてくれます。特に秋の紅葉の時期には、澄んだ水と鮮やかな色の鯉、同じく鮮やかな紅葉のコントラストが見事であると評判です。
また智積養水の周辺には、智積養水に水を引き込むための設備なども見ることができます。智積養水の源流となっている蟹池や、そこから水を引き込むために、ふたつの川の下を通して作られた三十三間筒などがあります。
さらに、最寄り駅である桜駅の隣には智積養水記念公園があります。ここには智積養水を引き込んだ小さな川と東屋があり、地域の人々の憩いの場となっています。
少し離れた場所には「じばさん三重名品館」があり、四日市萬古焼や伊勢形紙など三重北勢地域の地場産品などを取り揃えています。
智積養水の口コミ
智積養水 pic.twitter.com/w63GtFDpVL
— テストコージ (@test_drive_95) July 28, 2015
日本の風情を感じさせる景色です。
キャンプ場を出て近鉄桜駅にて。
智積養水の鯉です。 pic.twitter.com/GcHha0ZeYf— 武蔵之坊 米丸@育休 (@yonemaru_hanzo) May 24, 2015
ふと足をとめて眺めたくなります。大きくて立派な鯉ばかりが居るそうです。
きのうは四日市へ。四日市は「蚊遣り豚」(蚊取り線香を置く豚のかたちの置物)の一大産地。地場産業振興館「じばさん三重名品館」には「蚊遣り豚アート」がズラリ。どれも時事やトレンドを織り込んでいてGJ! 旅先では地味な施設とて侮れません。 pic.twitter.com/JkLHqOtfN7
— 吉村智樹 (@tomokiy) August 29, 2015
水路から少し離れた場所にある「じばさん三重名品館」。工芸品など、掘り出し物が見つかります。
智積養水の風景
名水百選のひとつ。水の綺麗な所はきっといい所。その『いい所感』だけを味わいに出かけるのも楽しみのひとつ。
出典:FLICKR
水路から水の綺麗さが伝わってきます。
色鮮やかな鯉が泳いでいます。
西勝寺前の人気の観光スポットです。
秋には紅葉のコントラストが反射して水路も彩り豊かになるそうです。
アクセスマップ
どこで購入できる?
智積養水は、一般向けの販売は行われていません。飲料水として購入するというよりも、美しい水や風景を見て楽しむための、観光スポットとしての役割を担っています。
おわりに
ここまで、三重県の名水である智積養水について紹介してきました。この名水は、現在でもこの地域に住む人々の生活に深く関わっています。地元の人々の努力によって守られているこの名水は、また次の世代にも受け継がれていく大切な資源になるでしょう。
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