豊臣秀吉や徳川家康など、名の知られた歴史上の人物とも所縁が深い京都府伏見の御香宮神社。御香宮神社は歴史を感じられる見た目も魅力的ですが、伏見の御香水と呼ばれている有名な名水が湧き出ています。この名水は伏見の酒とも関わりがあり、名水を求めて神社に訪れる観光客も少なくありません。
ここでは、この伏見の御香水の成分や、アクセス情報などについて紹介していきます。
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どこで採水されている?
伏見の御香水は、京都府伏見の御香宮神社にある境内の井戸で採水されています。この名水は伏見七大名水のひとつとして数えられており、日本の名水百選にも選ばれています。
御香宮神社へは京阪電車の伏見桃山駅、もしくは近鉄電車の桃山御陵前駅を下車し、徒歩5分ほどで辿り着けます。市バスを利用する場合には、御香宮前で下車し徒歩1分ほどで辿り着くことができます。
名水の由来
伏見の御香水がある御香宮神社は、もともと御諸神社という名前でした。この神社の境内から平安時代に香りのいい水が湧き出し、その水を飲むとたちまち病が治ったことから、時の天皇であった清和天皇が御香宮神社と改名しました。湧き出た水は御香水と呼ばれ、現在でもペットボトルなどを持参して自宅に持ち帰ったり、茶道や書道用に使用したりする人が多くいます。
また、猿を操る猿曳が諸国を巡って疲れ果てたときに、この水を猿に飲ませたところ、猿がたちどころに元気になったという逸話もあります。さらに、徳川御三家の祖となった徳川頼宣、頼房、義直の3名は、この水を産湯に使ったとされています。
伏見の御香水がある井戸は水枯れを起こしたことがありますが、昭和期に井戸を掘り下げることによって復元しました。現在では伏見の御香水を守るため、月窯や献茶会などが定期的に開催されています。献茶会では裏、表、武者小路の三千家の家元が集まります。
ミネラル含有量と味わい
伏見の御香水は軟水です。詳細なミネラル含有量は公表されていませんが、硬度は平均39~44mg/Lです。
通年18度から20度ほどの水温を保っており、甘みを感じるほどのノドごしの良さが特徴です。特にコーヒーやお茶などに使うのに適していると言われています。
採水地周辺の観光地
伏見の御香水が採水されている御香宮神社は、安産の神様として知られています。豊臣秀吉と所縁が深く、伏見桃山城を建築する際に伏見城の守り神にしたと言われています。戊辰戦争最初の戦となった鳥羽伏見の戦いでは薩摩藩の屯所にもなっていました。また、重要文化財に指定されている表門や徳川家康が建てた本殿のほか、三代将軍・家光も称えたと言われる小堀遠州が作った庭園など多くの見どころがあります。
また御香宮神社の周辺には、寺田屋騒動址や伏見桃山城、伏見桃山陵など、時代を動かすきっかけとなった史跡が数多くあります。寺田屋騒動址は幕末の有名な事件・寺田屋騒動が起こった場所です。寺田屋騒動とは尊王攘夷が盛んに叫ばれていた幕末に、薩摩藩内の急進派と温和派が対立して乱闘となり、薩摩藩士9人が犠牲になった事件です。現在はこの場所に、殉難碑が建てられています。
伏見桃山城は豊臣秀吉によって築城された城です。ここから出土した史料は御香宮神社内にある伏見城跡出土遺物博物館に保管されています。伏見桃山陵は明治天皇の御陵であり、もともと伏見城の本丸であった場所にあります。
伏見の御香水の口コミ
https://twitter.com/idavoll666/status/641981535114039296
真ん中に見えるのが井戸なのですが、驚くことに、明治時代に一度お水が枯れているそうです。昭和57年にまた湧き始めたそうですが、不思議ですね。
https://twitter.com/kenpokuf/status/628377330621091841
このお水を目当てに足を運ぶ人が大勢いらっしゃいます。霊水として、病気の治療用や生活用水に利用されるそうです。
https://twitter.com/Ruri11238/status/624933848275521536
地元の方たちからは、「ごこんさん」の愛称で親しまれている神社だそうです。
伏見の御香水の風景
御香宮神社 / Gokogu-jinja Shrine / Sanctuaire Gokogu-jinja
出典:FLICKR
かつて徳川頼宣、義直は、この水を産湯に使用していたそうです。
御香宮神社 Gokogu Shrine
出典:FLICKR
湧き出ているのを見つけたとき、香りがあり飲むことで病を治したということから、御香水の名がつけられたそうです。
御香宮神社 鳥居
出典:FLICKR
この鳥居をくぐって行くと、御香宮神社につきます。季節問わず常に参拝者がいる神社です。
御香水がおいてある神社は、安産、子育てにご利益があるそうです。
立派な松が並ぶ神社までの道は、神聖さを漂わせているのがわかります。
七五三の時期は人で溢れかえります。
アクセスマップ
どこで購入できる?
伏見の御香水は、一般的な販売がされていません。しかし、安定した供給量があり自由に採水ができるため、連日病気平慰を願う人がこの水を汲みに来ています。
おわりに
伏見の御香水は、歴史ある京都で生まれた由緒正しい名水です。病を何でも治す霊水として重宝されてきたこの名水は、現在でも地元の人々に敬われて利用されています。神秘的な雰囲気を感じる伏見の御香水、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
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