高知県の北部には横倉山と呼ばれている山があり、この山は高知県立の自然公園となっています。自然が多く残されているこの山は学術的にも貴重であるとされており、「安徳水」と呼ばれる名水が湧き出ています。
ここでは、この安徳水の特徴やアクセス情報などについて紹介していきます。
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どこで採水されている?
安徳水は高知県高岡郡越知町にある横倉山から湧き出ています。1985年に名水百選に選ばれ、修験者などが身体を清めるための水として知られてきました。
横倉山は越知町のシンボルとも言える存在であり、日本最古の化石や樹齢700年を超える樹木などがあります。そこに世界的な植物学者である牧野富太郎博士が興味を示し、現在でも研究者の研究対象として横倉山は認識されています。
安徳水の採水地付近には鉄道の駅やバス停は存在しておらず、現地に向かう場合には自動車を使用することになります。高知市内から国道33号線を松山方面に1時間程走り、越知町に着いたら横倉山第3駐車場まで約15分走ります。この駐車場から約10分遊歩道を歩けば、採水地に辿り着くことができます。
名水の由来
1185年の屋島の合戦に敗れた一門が安徳天皇を奉じて採水地付近に至り、この地に住み着いてから安徳水は名水として利用されるようになりました。その後、天皇の飲用水として使用されるようになりました。また、これより200年前に修験者の清め水として使用されていたとも言われています。
現在では地元の平家会などが保全活動を行っており、水質の保全を目指しています。かつての水質検査では大腸菌の陽性反応が出たこともありますが、保全活動によって水質の大きな劣化が防がれています。
ミネラル含有量と味わい
安徳水の平均硬度は、1リットルあたり約33mgです。名水百選に選ばれた水の中では比較的硬度が低いため、すっきりとした味わいの水です。水温も一年を通して14度であるため、飲用に適した温度でしょう。
ただし、安徳水を飲用する際には煮沸消毒が必要であるとされています。現在では飲用に関して適しているというわけではなく、煮沸をすれば一応飲用することが可能であると認識されています。
採水地周辺の観光地
採水地周辺には、コオロギランが多く自生しています。コオロギランは高さ5cmほどで初秋に3mmぐらいの花をつける珍しい植物であり、採水地周辺自体がひとつの観光スポットとして認識されています。また、花柄がほとんどないことが特徴であるヨコグラツクバネも、採水地周辺に自生しています。
横倉山から約500m離れると、横倉宮や安徳天皇陵墓参考地など、歴史に関するスポットがいくつか点在しています。安徳天皇は正治2年にこの地で亡くなられたと言われており、この地にお墓が建てられています。
付近の町であるはりまや町には、高知県の名物であるかつおのたたきを提供している飲食店が多く見られます。高知旅行に訪れた方はこの地を訪れることが多く、新鮮なかつおのたたきに満足した姿が多く見られます。
安徳水の口コミ
https://twitter.com/sheru0509/status/672272497895727104
安徳水は地元の平家会等の団体が清掃保全活動をしているんです。ありがたい。
https://twitter.com/Aoi_fsm/status/576014527529009153
雪景色も美しいですね。
安徳水の風景
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出典:FLICKR
神聖な安徳天皇陵墓参考地です。神秘的な雰囲気ですね。
アクセスマップ
どこで購入できる?
安徳水は現地に向かえば煮沸することによって飲用することは可能ですが、持ち帰りに関しては禁止されています。持ち帰るまでの時間によって水の劣化が進んでしまうため、ペットボトルなどの容器を持参していたとしても、持ち帰ることは控えるようにしましょう。
安徳水はスーパーやインターネット通販などでは、販売されていない水です。したがって、安徳水を味わうためには現地に訪れることが必要となります。
おわりに
ここまで、高知県の名水である安徳水について紹介してきました。付近にはいくつか観光スポットも点在していることから、安徳水を求めて採水地を訪れる観光者も見られます。興味を持った方は安徳水を味わうために、旅行の計画を立ててみましょう。
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